成果が出るリスティング広告の全て!基礎からBtoB戦略・分析手法まで総まとめ
公開日:2025年12月08日
リスティング広告は、「今すぐ客」を効率的に獲得できる王道の集客手法。
しかし、ただ闇雲に配信するだけでは、クリック単価の高騰やAI自動化の波に飲み込まれ、大切な予算を浪費するだけに終わってしまいます。成果を出すために必要なのは、管理画面の操作スキルではなく、「勝てる戦略設計」と「正しい分析・改善」。
本記事は、リスティング広告の基礎知識から、費用対効果を高める運用テクニック、BtoB向けの攻略法、さらには代理店選びのポイントまで、リスティング広告に関するあらゆるノウハウを網羅した完全ガイド」です。
まずはこの記事でリスティング広告の全体像を把握してみてください。そして、より具体的な設定手順やテクニックについては、各パートでご紹介している個別記事をご覧ください。
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リスティング広告とは?基本の仕組みと特徴
Web集客の要ともいえる「リスティング広告」。名前は聞いたことがあっても、具体的にどのような仕組みで表示され、なぜ効果が高いのか、詳細まで正確に把握できていない人もいるかもしれませんね。
まずは、リスティング広告の定義と他のWeb広告との違いについて解説します。
検索連動型広告の定義と表示場所
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果ページに表示される広告のこと。「検索連動型広告」とも呼ばれます。
例えば、「リスティング広告 東京」と検索したとき、検索結果の上部や下部に「スポンサー」や「広告」というラベルが付いたテキストが表示されるのを見たことがあるはずです。これがリスティング広告ですね。
ユーザーが自ら情報を探しているタイミング(検索行動中)に表示されるため、購買意欲や関心が高い層にダイレクトにアプローチできるのが特徴。
「どんなキーワードで検索されたときに広告を出すか」を広告主が設定できるため、ターゲットを絞り込んだ効率的な配信が可能です。
ディスプレイ広告やSEOとの決定的な違い
Web集客の手法として、リスティング広告とよく比較されるのがディスプレイ広告やSEO(検索エンジン最適化)です。これらはターゲットへのアプローチ方法やコスト構造が大きく異なります。
ディスプレイ広告との違い
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に画像や動画で表示される広告。リスティング広告が「今すぐ何かを探している顕在層」向けであるのに対し、ディスプレイ広告は「まだニーズが明確になっていない潜在層」への認知拡大に向いています。
例えば、指名検索を増やすためにディスプレイ広告で認知を広げ、刈り取りをリスティング広告でおこなうといった使い分けが重要です。
SEOとの違い
SEOは、検索結果で上位表示を目指す施策です。クリック費用はかかりませんが、上位表示されるまでに時間がかかり、検索エンジンのアルゴリズム変更の影響を受けやすいという特徴があります。
一方、リスティング広告は費用を払えばすぐに掲載可能で、コントロールしやすいのが強み。「短期成果はリスティング広告から、中長期的な成果はSEO」というように、両者を併用するのが王道の戦略です。
主要3媒体(Google・Yahoo!・Microsoft)の特徴
日本国内でリスティング広告を配信する場合、主に以下の3つの媒体を利用します。
- Google広告:国内シェアNo.1。
- Yahoo!広告:PC利用者の多いビジネス層や高年齢層に強い。
- Microsoft広告(Bing):Windowsユーザーやビジネス利用者に強い。
特にBingは見落とされがちですが、BtoB商材やPCユーザー向けのサービスでは、Googleよりも高い費用対効果(ROAS)が出るケースも珍しくありません。媒体ごとのユーザー属性を理解し、予算を配分することが大切です。
なぜリスティング広告なのか?メリットとデメリット
なぜ多くの企業がリスティング広告に予算を投じるのか?その理由は明白ですが、同時に無視できないデメリットも存在します。導入前に両面を正しく理解しておきましょう。
確度の高い「今すぐ客」にアプローチできるメリット
リスティング広告の最大のメリットは、「今すぐ解決したい悩み」を持っているユーザーにピンポイントで訴求できる点。
例えば「エアコン 修理」「格安SIM 申し込み」と検索するユーザーは、すでにサービスを探しており、比較検討の段階にあります。こうした「今すぐ客」に対して、検索結果の一番目立つ場所に自社の広告を表示できるため、即効性が高く、コンバージョン(成果)につながりやすいのです。
また、配信開始・停止、予算の変更、広告文の修正などをリアルタイムでおこなえるため、ビジネスの状況に合わせた柔軟な運用が可能です。
運用コストと手間というデメリット
一方で、リスティング広告にはデメリットもあります。
- コスト:広告をクリックされるたびに費用が発生します。
- 運用工数:効果を維持・向上させるためには継続的な運用調整が不可欠です。
- キーワード単価:競合が多いキーワードはクリック単価が高騰します。
配信すれば売れる魔法のような方法ではありません。放置すれば予算を垂れ流すだけになってしまうリスクがあることを理解しておきましょう。
いくらかかる?費用の仕組みと予算の決め方
リスティング広告を始める際に最も気になるのが費用ではないでしょうか。いくら用意すればいいのか、どのような仕組みで料金が決まるのかを解説します。
クリック課金(CPC)とオークションの仕組み
リスティング広告はクリック課金型(CPC:Cost Per Click)を採用しています。広告が表示されただけでは費用は発生せず、ユーザーが広告をクリックして初めて料金が発生する仕組みです。
クリック単価は固定ではなく、オークション形式で決まります。基本的には入札価格が高い広告主が有利ですが、単純な金額勝負ではありません。Googleは品質スコア(広告の品質)も重視しており、品質が高ければ、他社より低い入札単価でも上位に表示される可能性があるのです。
成果を出すための適正予算の考え方
「予算はいくら必要ですか?」という質問への回答は、「目標とする成果による」となってしまいますが、一般的には月額20〜30万円程度からスタートする企業が多いようです。
予算を決める際は、以下の計算式を参考に逆算して考えましょう。
目標獲得件数(CV数) × 目標獲得単価(CPA) = 必要予算
例えば、1件の問い合わせ獲得に10,000円(CPA)かけられるとし、月に30件の問い合わせが欲しい場合、30万円の予算が必要という計算になります。まずは無理のない範囲で始め、効果を見ながら増額していくのが賢明です。
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失敗しないリスティング広告の始め方と戦略設計
アカウントを作ってキーワードを登録すれば広告は出せますが、準備なしに始めると失敗します。ここでは、成果を出すための正しい手順と運用の肝となる戦略について解説します。
アカウント開設から配信までの5ステップ
リスティング広告の配信手順は以下の通りです。
- アカウント開設:各広告のアカウントを作成し、支払い情報を設定します。
- キャンペーン設定:予算、配信地域、スケジュールなどの大枠を決めます。
- 広告グループ作成:キーワードと広告文をまとめるグループを作ります。
- 広告入稿:検索キーワードと、表示させる広告テキストを登録します。
- 配信開始:媒体審査を通過すれば配信が始まります。
特に重要なのはアカウント構造設計。「キャンペーン」や「広告グループ」を適切に分けないと、ターゲット違いのユーザーに広告が出てしまったり、予算管理が煩雑になったりしてしまいます。
運用技術よりも重要な戦略設計
多くの担当者が入札調整や除外キーワードなどの運用テクニックに注目しがちですが、成果の8割は配信前の戦略設計で決まります。
- 誰に(ターゲット):どんな悩みを持ち、どんな解決策を求めている人か
- 何を(訴求ポイント):競合と比較して、自社の強み(USP)は何か
- どうやって(訴求方法):広告をクリックした後、どんな方法で訴求するか
この「誰に・何を・どうやって」がずれていると、どんなに細かい運用テクニックを駆使しても成果は上がりません。テクニックに走る前にまずは戦略を固めましょう。
成果を左右するキーワード選定の極意
リスティング広告において、キーワード選定は「誰に広告を見せるか」を決めるもの。
ビッグキーワードは検索数が多いですが、競合も多く、クリック単価が高くなりがちです。一方、ロングテールキーワードは検索数は少ないですが、購買意欲が高いユーザーを低コストで集められる可能性があります。
また、「マッチタイプ(完全一致、フレーズ一致、部分一致)」の使い分けも重要。初期段階では絞り込みすぎず、かといって広げすぎないバランス感覚が大切です。
運用パフォーマンスを最大化する改善テクニック
広告配信はゴールではなくスタートです。配信結果のデータを分析し、改善を繰り返す(PDCAを回す)ことで、パフォーマンスは劇的に向上します。
クリック率(CTR)を上げる広告文の工夫
広告が表示されているのにクリックされない場合、ユーザーにとって自分に関係があると思われていない、魅力を感じていないといった可能性があります。
CTRを上げるには、以下の要素を広告文に盛り込むことが有効。
- キーワードを含める:検索語句が広告文に含まれていると太字で表示され、目につきやすくなります。
- 数字を使う:「満足度98%」「3分で登録完了」など、具体的な数字で信頼性やメリットを伝えます。
- 【】や記号で目立たせる:【公式】や【期間限定】などの隅付き括弧は視認性を高めます。
「平均CTR」の目安を知り、自社の数値が健全かどうかを判断することも大切ですね。
費用対効果を高める分析と施策
予算を増やさずに成果(コンバージョン)を増やしたいというのは全ての担当者が目指したいことでしょう。費用対効果(CPAやROAS)を改善するには、以下の3つの視点での分析が必要です。
- 無駄なクリックの削減:コンバージョンにつながらない検索クエリを「除外キーワード」に登録します。
- 入札単価の調整:成果の良いキーワードの入札を強め、悪いキーワードを弱めます。
- 品質スコアの改善:広告の関連性やLPの利便性を高め、クリック単価(CPC)を下げます。
特に「除外キーワード」の設定は、コスト削減において即効性のある施策です。
受け皿となるランディングページ(LP)の重要性
どれだけ素晴らしい広告で集客しても、飛び先のページ(LP)が魅力的でなければ、ユーザーは何もせずに離脱してしまいます。リスティング広告ではこれを「穴の空いたバケツ」に例えられることが多く、どこかで見聞きしたことがあるかもしれません。
広告文で訴求した内容(例:「初回半額」)が、LPのファーストビュー(最初に表示される画面)ですぐに確認できるか?申し込みフォームは入力しやすいか?など、広告とLPの一貫性を保つこと(LPO)がコンバージョン率アップの鍵を握ります。
よくあるトラブルと対処法
運用中には「広告が出ない」「他社からクレームが来た」といったトラブルが発生することがあります。よくあるトラブルをあらかじめ把握してスムーズに対応しましょう。
広告が表示されない主な原因
「設定したはずなのに広告が表示されない」というケースは多々あります。主な原因は以下の通りです。
- 審査落ち:広告ポリシーに違反している(法規制、誇大広告など)。
- 入札単価が低すぎる:競合に負けて表示機会を得られていない。
- 予算不足:日予算の上限に達している。
- ターゲット設定のミス:地域やデバイスの設定が厳しすぎる。
焦らず管理画面のステータスを確認し、一つずつ原因を潰していくことが大切です。
他社商標に関するトラブル回避
競合他社の社名や商品名(商標)をキーワードとして登録し、広告を出すこと自体は、媒体のポリシー上は基本的に可能。
しかし、広告文の中に他社の商標を含めることは商標権侵害になるリスクが高いため、絶対におこなうべきではありません。また、クレームに発展することもあるため、競合他社の商標に入札する際は慎重な判断が必要です。
逆に、自社ブランド名で他社が広告を出している場合の対処法も抑えておきましょう。
【状況別】BtoBや少額予算での攻略法
リスティング広告の勝ちパターンは業種や予算規模によって異なります。ここでは「BtoB」と「少額予算」という2つのケースでの攻略法を紹介します。
BtoB企業がリードを獲得するポイント
BtoBの場合、検索するユーザーは「業務上の課題解決」を求めています。そのため、BtoCのように感情に訴えるよりも、「機能性」「コスト削減」「導入実績」などの合理的メリットをロジカルに伝えることが重要です。
また、検索数が少ないニッチなキーワードが多いため、キーワードのマッチタイプをうまく活用し、機会損失を防ぐ工夫も必要。コンバージョンポイントを「購入」ではなく「資料請求」や「ホワイトペーパーダウンロード」に設定し、リード獲得のハードルを下げるのも鉄板ですね。
少額予算でも成果を出すコツ
「少額予算でも効果は出ますか?」という質問をよく頂きますが、答えは「戦略次第で可能」です。
少額運用のコツは「選択と集中」。全ての関連キーワードに入札するのではなく、「コンバージョンに直結するキーワード(指名キーワードや具体的な複合語)」だけに絞り込み、エリアや配信時間も限定します。予算が少ない分、無駄なクリックを極限まで減らす丁寧な運用が求められます。
インハウスか外注か?運用代行の活用について
ここまでの内容から「運用工数が確保できない」「専門知識を学ぶ時間がない」と感じた方は、プロ(広告代理店)への外注がおすすめです。
代理店に依頼するメリットと費用相場
代理店に依頼する最大のメリットは、プロの知見による「成果までのスピード短縮」と「社内リソースの節約」です。最新の広告機能やトレンドに対応し、適切な戦略設計をおこなってくれます。
費用相場は、一般的に広告費の20%程度が手数料となります。その他に初期費用がかかる場合もありますので代理店へ確認してみましょう。弊社クリエルでは初期費用無料です。詳しくはリスティング広告のサービスページをご覧ください。
「手数料がもったいない」と考えるか、「成果を出すための投資」と考えるか。自社のリソースと目標に合わせて判断しましょう。
リスティング広告のよくある質問
ここからはリスティング広告に関するよくある質問と回答をご紹介します。
Q.リスティング広告はいくらから始められますか?
A.極端に言えば数百円からでも始められますが、ビジネスとして成果を判断するためには、最低でも月額10万円〜30万円程度の予算を推奨します。クリック単価や商材によって必要な予算は異なります。
Q.自分で運用することは可能ですか?
A.可能です。GoogleやYahoo!の管理画面から誰でも出稿できます。ただし、キーワード選定や入札調整などの専門知識が必要であり、未経験の場合は学習コストがかかる点に注意が必要です。
Q.広告を出してからどれくらいで効果が出ますか?
A.広告審査さえ通れば即日配信され、その日のうちにアクセスが発生します。SEOと違って即効性が高いのが特徴です。ただし、CPA(獲得単価)を最適化し、安定した成果を出すには1〜3ヶ月程度の調整期間が必要です。
リスティング広告まとめ
リスティング広告は検索というユーザーの能動的なアクションに対してアプローチできる、非常に強力な集客手法です。適切に運用すれば短期間で大きな売上を作ることも夢ではありません。
しかし、ただお金をかければ良いわけではなく、「誰に(キーワード)」「何を(広告文・LP)」届けるかという戦略設計と泥臭い分析・改善(PDCA)が不可欠です。本記事で紹介した各ステップの専門記事を参考に、自社のビジネスに最適な運用体制を検討してみてくださいね。
もし「自社だけでは戦略設計が難しい」「運用リソースが足りない」と感じた場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。
参照サイト
本記事ではGoogle広告の公式ヘルプやYahoo!広告(ヤフー広告)の検索広告公式ページやMicrosoft検索広告公式サイトなど、広告媒体社の公式情報に基づいて執筆しています。
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