アクセス解析でわかることを解説!無料ツールから分析方法のポイントまで
公開日:2024年09月27日
Webで成果改善に取り組む上で欠かせないのがアクセス解析。
アクセス解析でわかることは多岐にわたり、Web担当者にとって必須のツールです。本記事ではアクセス解析でわかることと分析方法のポイントについて詳しく解説します。
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アクセス解析の基本
アクセス解析はWebサイトのパフォーマンスを数値化し、客観的に評価するための重要なプロセスです。
もし「なんとなく」でサイト運営をしている場合、アクセス解析を始めるとデータに基づいた意思決定ができるようになるためぜひこの機会にアクセス解析へ取り組んでみてくださいね。
本記事ではWebサイトのアクセス解析で代表的な無料で使えるツールだるGA4をベースに解説していきます。
まずは、アクセス解析でわかることの中でも基本となる代表的な指標を通じて何がわかるのか理解を深めましょう。これらの指標を押さえることで、Webサイトの現状把握ができるようになります。
トラフィック関連の指標を理解する
トラフィック関連の指標はサイトへの訪問者数や訪問回数を示すもの。主な指標には以下のようなものがあります。
- ユーザー数:サイトを訪れたユーザー数
- 新規ユーザー数:過去2年間で初めてアクセスしたユーザーの数
- セッション数:サイトへの訪問回数
- ページビュー数:ページが閲覧された回数
これらの指標を見ることでWebサイトの集客力を把握できます。
例えば、各指標が増えていれば集客数が伸びていることが分かりますし、ユーザー数が増えているのにも関わらず新規ユーザー数が増えていなければ、新規ユーザーの獲得ができていないことが分かります。
エンゲージメント関連の指標を理解する
エンゲージメント関連の指標はユーザーがサイトにどれだけ興味を持っているかをサイト訪問後の行動から読み取るもの。エンゲージメントがあったGA4におけるセッションの条件は以下のように定義されています。
- 10秒以上継続したセッション
- コンバージョンイベントが発生したセッション
- 2ページ以上の閲覧が発生したセッション
エンゲージメント関連の指標には以下のようなものがあります。
- 平均エンゲージメント時間:1回の訪問における平均エンゲージメント時間
- 直帰率:エンゲージメントが発生せずに離脱したセッションの割合
- ページ/セッション:1セッションあたりの平均ページビュー数
コンテンツの質が表れるこれらの指標。
例えば、平均エンゲージメント時間が長く、直帰率が低ければ、ユーザーがサイトに興味を持ち、じっくりと閲覧していることがわかりますね。
アクセス解析でわかることを改善へ活かす
アクセス解析は単にデータを収集するだけでは意味がなく、現状を把握したり、改善に取り組んだりすることで初めて価値が生まれる業務です。
例えば、特定のページの直帰率が高い場合、そのページのコンテンツや構成に改善の余地があると想定できます。しかし、それだけでは成果につながらないため、実際にページ改善に取り組まなければ意味がありません。
また、代表的な指標の他にもGA4でディメンションと呼ばれるデータの属性(分析軸として活用できるデータ項目)を理解できるとアクセス解析の幅が広がります。
例えば、どこからアクセスがあったのかがわかるチャネルの分析により、集客チャネル別に評価することも可能。オーガニック検索といった特定のチャネルからの集客数が多く、多くのコンバージョンを獲得できているなら更に集客を強化したり、反対に集客できていないチャネルへの対策を検討することもできますよね。
アクセス解析でわかることとは?
アクセス解析ツールを使うことで様々な角度からWebサイトのパフォーマンスを把握することができます。ここからは、具体的にどのようなことがわかるのかを詳しく見ていきましょう。
セッション数やユーザー数がわかる
前述の通り、アクセス解析によってわかることの代表的なものとして、サイトへの訪問回数(セッション数)や訪問者数(ユーザー数)が挙げられます。これらの数字を時系列で追うことで、集客状況の変化や施策の効果を把握することが可能。
例えば、ユーザー数の増減が大きい時に、チャネルやキャンペーンなど何が影響しているかを分析することで変化の要因を把握できますよね。これらの数字の推移を見ることで、どの施策が効果的だったかを把握できるのです。
エンゲージメント時間や直帰率がわかる
ユーザーの行動を示す指標として、エンゲージメント時間や直帰率も重要です。これらの指標はWebサイトのコンテンツがユーザーのニーズに応えているか、優れたUXを提供できているかを振り返る上で役立つデータ。
例えば、サイト内での滞在時間が長ければユーザーがコンテンツに興味を持って読み込んでいる可能性が高いですね。直帰率が高い場合はユーザーの期待とページの内容にミスマッチがあるかもしれませんが、1ページだけで悩みを解決して直帰した可能性も考えられるため、適切な判断が必要です。
コンバージョン数やコンバージョン率がわかる
アクセス解析の最終目標は多くの場合コンバージョン獲得です。
コンバージョンは商品購入や資料請求、会員登録など、サイトの目的を達成すること。アクセス解析ツールを使えばこれらのコンバージョン数やコンバージョン率を把握できます。
さらに、コンバージョンに至るまでの経路やコンバージョンに貢献した集客チャネル、ランディングページ(セッションを開始したページ)も把握できるため、詳細な分析も可能になるのです。
例えば、ECサイトであれば「商品ページの閲覧」→「カートへの追加」→「購入手続き」→「決済完了」という流れの中で、どの段階でユーザーが離脱しているかを把握し、ボトルネックとなっているページを見直すことでコンバージョンを大きく改善できる可能性がありますよね。
時系列データや変化率がわかる
時系列でデータの変化がわかることもアクセス解析において重要なポイント。
日々の変動はもちろん、週単位、月単位、年単位での比較も簡単にできます。これによって、アクセス状況の変化にいち早く気づけたり、変化があった時期を特定することができます。
例えば、「6月のセッション数が減少した」という事実があった場合、これだけで判断するとWebサイトの集客力が低下している可能性があります。
しかし、「ゴールデンウィークの期間はアクセス数が増えるため毎年5月はセッション数が他の月度より多い」という背景があれば、これは一概に集客力が6月に低下したとも言えませんよね。月間の日数に差がある点も考慮が必要でしょう。
また、前年同月比や前月比などの変化率を見ることで、サイトの成長度合いや施策の効果を客観的に評価できますね。
集客経路がわかる
ユーザーがどこからサイトにやってきたのか、集客経路もアクセス解析でわかる貴重なデータ。主な経路には以下のようなものがあります。
- 検索エンジンからのアクセス
- ダイレクトアクセス
- 外部サイトのリンクからのアクセス
- SNSからのアクセス
- 広告からのアクセス
これらの情報を分析することで、効果的な集客チャネルを特定したり、逆に改善が必要なチャネルを見つることができます。例えば、SNSからの流入が多ければ、成功要因を分析した上でさらにSNSでの情報発信を強化する戦略を立てられますよね。
また、検索エンジンからの流入が多い場合は、どのキーワードで検索されてサイトにたどり着いたのかも分析が可能。これにより、SEO戦略の効果を確認したり、新たなキーワードでのアクセスアップを狙うこともできますね。
サイト訪問後のページ遷移がわかる
ユーザーがサイトに訪れた後、どのようなページを閲覧しているのか、その遷移パターンもアクセス解析でわかります。
この情報を分析することで以下のようなことを把握できます。
- ランディングページの次によく見られるページ
- ユーザー動線の傾向
- 多くのユーザーが離脱するページ
例えば、重要なページへの導線が適切に設計されているか、ユーザーの興味を引くコンテンツが適切に配置されているかなどを確認できます。この情報を元にサイト構造やナビゲーションの改善、コンテンツの配置の最適化などをおこなうことが可能。
直帰率が高いページはターゲットとページコンテンツがマッチしていない可能性も考えられますね。
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アクセス解析でわかることを改善施策へ活かす方法
アクセス解析で得られたデータ単体では単なる数字の羅列に過ぎません。重要なのはそのデータを解釈し、具体的な改善施策へと結びつけること。
ここではアクセス解析のデータを活用し、成果を向上させる方法について見ていきましょう。
現在の状況をデータで正しく把握する
まず、改善の第一歩は現状を正確に把握すること。アクセス解析ツールを使って基本的な指標を確認しましょう。
- 集客指標 ex)セッション数
- コンバージョン指標 ex)コンバージョン数
これらの数値を時系列で追うことで、サイトの現在の状況とこれまでの推移を把握できます。例えば、「先月と比べてユーザー数は増えているが、コンバージョン率が下がっている」といった事実の把握ですね。
また、業界平均や競合他社の公開データなどベンチマークしている数値と比較することで、自社サイトの相対的な位置づけも把握できます。ただし、業界や事業規模によって適正値は大きく異なるので、安易な比較は避けましょう。
集客数の増加施策へ活用する
集客状況を把握することで、より効果的な集客施策の実行が可能になります。
例えば、SEO対策に注力しているなら検索エンジン経由での集客状況が特に重要。
検索エンジン経由で集客できているユーザー数やセッション数の動向はもちろん、どのページへ集客できているのかをランディングページ分析によって把握することで、集客数や集客に貢献しているページが特定できます。
もし検索順位が1位ではないのにも関わらず集客数に大きく貢献できているページがあるなら、順位を改善することによる集客数増加のインパクトは大きいもの。集客数の増加を狙うなら優先的に改善するページとして施策の計画を立てましょう。
集客の質向上施策へ活用する
単に訪問者数を増やすだけでなく、自社のターゲットとマッチした質の高い(コンバージョンにつながりやすい)ユーザーを増やすことも重要です。
もし年齢層や地域などが自社で狙っているユーザー属性と異なるなら、集客方法の見直しが必要かもしれませんね。集客に活用しているSNSを見直したり、配信しているコンテンツを見直したり、マーケティング設計が間違っている場合は全体的な計画変更が必要です。
実用的なアクセス解析をおこなうポイント
ここからはアクセス解析を効果的におこなうためのポイントを見ていきましょう。
仮説を検証するためにアクセス解析をおこなう
アクセス解析をおこなう際によくある間違いがただ漠然とデータを見る方法。
アクセス解析でわかることは多岐に渡りますが、これらを業務へ活かすためには事前に仮説を立てることが重要です。
- ランディングページAはランディングページBよりコンバージョン率が高いはず
- モバイルユーザーはデスクトップユーザーより直帰率が高いのでは?
- 週末は平日よりもコンバージョン数が落ちるだろう
このような仮説を立てた上で実際のデータを確認すると、仮説が正しいかどうかがわかりますよね。もし仮説が間違っていれば、なぜ予想とは異なるのかを考え、新たな仮説を立てることからWebサイトの改善ポイントが見つかったり、新しい施策につながったりするのです。
定点観測と変化の要因を分析する
アクセス解析は一度だけではなく、継続的におこなうことが大切。
週次や月次で定期的に同じ指標を確認して推移を追うことも重要です。
- 主要な指標の変化に早く気付ける
- 異常値が出た際に早く対処ができる
- 実行した施策の効果を分析できる
- 長期的なトレンドを把握できる
- 季節変動を把握できる
特に、数値に大きな変動があった場合はその要因を分析することが重要。例えば、改善施策を実行したなら、実行の前後でどのような変化があったのかを把握し、施策によってアクセスデータに変化があれば施策を適切に評価できますよね。
特定の日にアクセスが急増した場合はその日に何か特別な要因があったのか(プロモーション実施や外部メディアからの紹介)を確認します。もしプロモーションによって予想以上のアクセス数増加につながったのであれば、集客効果が高いプロモーションとして評価できますし、次回以降の計画にも活かせるでしょう。
このように、定点観測と要因分析を組み合わせることで、主要な指標に影響を与える要素を特定し、より効果的な施策を打つことができるのです。
改善インパクトが大きいポイントを見つける
実行リソースには限りがあるので、成果改善の可能性がある施策を全て同時に改善することは現実的ではありません。そこで重要になるのが、改善インパクトの大きいポイントを見つけ出し、そこに注力すること。
例えばSEO対策で集客数を伸ばしたい場合、検索需要が同程度のキーワードで5位のページと50位のページがあるなら、5位のページの方が改善インパクトは大きいでしょう。5位が4位、3位、2位と順位を上げると検索エンジン経由の集客数は何倍にも伸びる可能性があります。
一方で、50位のページを49位、48位と改善できても集客効果はありませんし、4位、3位、2位と順位を上げるにはより多くの工数が必要になる上に成功率も決して高くないと予測できます。
もしコンバージョン数の増加が最優先課題であれば、既に集客できているページの改善に取り組む方が効率的。同じCVR改善をおこなった場合でも、月間30セッションのページと600セッションのページでは、後者の方が単純計算で20倍もの改善インパクトがあります。
このように、データからどこを改善すれば特に効果が高いかを見極め、優先順位をつけて施策を実行していくことが大切です。限られたリソースで成果を最大化できるよう、常に費用対効果を意識しながらアクセス解析をおこないましょう。
アクセス解析でわかることのまとめ
アクセス解析はデジタルマーケティングにおいて欠かせないツールです。数値から事実を読み取り、改善施策を実行してはじめて成果改善につながります。
ぜひ、本記事の内容を参考に自社サイトの改善に取り組んでみてくださいね。
アクセス解析の定番ツールであるGA4の基本的なレポートの使い方についてはこちらの「GA4レポート活用の基本マニュアル」を参考にして分析に取り組んでみてくださいね。
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GA4レポート活用の基本
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