GA4のエンゲージメントとは?平均時間や率の見方も解説
更新日:2024年01月31日
GA4で追加されたエンゲージメント指標。
以前のGoogleアナリティクスには無かった指標がGA4で追加されたということは、GA4を活用する上でエンゲージメントは軽視できない指標です。
本記事ではエンゲージメントとは何か、GA4の画面で平均時間やエンゲージメント率の見方を解説します。
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GA4のエンゲージメントとは
GA4のエンゲージメントとはどのような指標か、Google公式のアナリティクスヘルプの説明から見てみましょう。
サイトやアプリに対するユーザーの操作です。
例:
コンテンツ配信者の場合は、ページを下方向にゆっくりスクロールするといった操作がエンゲージメントになります。ユーザーが記事の長さを確認するためではなく、内容を読むためにスクロールしていることを示すエンゲージメントです。
(出典:エンゲージメント: 定義 - アナリティクス ヘルプ)
この説明から、GA4のWebアクセス解析におけるエンゲージメントとは、単にページが開かれているだけではなくアクティブな状態と判定できるユーザー行動と言い換えることができます。
直帰率指標でのGoogleアナリティクス分析の落とし穴
以前のGoogleアナリティクス(UA:ユニバーサルアナリティクス)でユーザー行動を評価する際の一例として、直帰率を見てページを評価する方法が一般的でした。しかし、直帰率分析には大きな問題も。
仮に検索エンジン経由でWebページへ訪問し、ゆっくりとスクロールしながらコンテンツを長時間に渡って熟読し、ページに満足して検索ニーズを満たされたとしても、これは直帰に該当します。
直帰率が高いか低いかの観点で分析していると、上記ユーザー行動は悪い結果に見えてます。しかし、実際はページの目的を果たせているとも考えられ、決して悪い結果ではないはずです。
一方で、エンゲージメント指標で分析すると、先程の例ではエンゲージメント発生データを計測できるため、直帰率分析では得られなかった分析結果に。
GA4とは、エンゲージメント指標が加わったことで、よりユーザー行動を明確に捉えることができるように進化したバージョンなのです。
GA4におけるエンゲージメントセッションの条件
GA4ではエンゲージメントがあったセッションの条件を以下のように定義しています。
- 10秒以上継続したセッション
- コンバージョンイベントが発生したセッション
- 2ページ以上の閲覧が発生したセッション
上記条件に該当しないセッションが直帰したセッションとなります。
エンゲージメント関連のGA4指標と見方
ここからはエンゲージメントに関するGA4指標と画面の見方を解説していきます。
エンゲージのあったセッション数とは
前述のエンゲージメントセッションとなる3つの条件の内、1つ以上に該当するセッションをエンゲージのあったセッションと呼びます。この数値がエンゲージのあったセッション数。
エンゲージのあったセッション数の見方
エンゲージのあったセッション数の見方は、標準レポートを使う方法がもっとも手軽。
「レポート」→「ライフサイクル」→「集客」→「集客サマリー」を選択し、プルダウンから「エンゲージのあったセッション数」を選択してみましょう。
上図ではチャネル別の数値が表示されていますが、こちらのディメンションもプルダウンから切り替えることができます。
平均エンゲージメント時間とは
平均エンゲージメント時間とは、アクティブユーザーあたりの平均エンゲージメント時間のこと。
平均エンゲージメント時間の見方
平均エンゲージメント時間の見方は、「レポート」→「エンゲージメント」→「エンゲージメントの概要」を表示するのみ。
平均エンゲージメント時間の計算式
平均エンゲージメント時間は以下の計算式で算出される指標です。
平均エンゲージメント時間 = ユーザーエンゲージメントの合計時間 ÷ アクティブ ユーザー数
平均エンゲージメント時間と滞在時間の違い
ユーザーエンゲージメントの合計時間に、ブラウザが非アクティブな状態の時間は含まれません。
従来のページ滞在時間や平均セッション時間ではこの要素が考慮されていなかったため、ブラウザでページを開いた状態でユーザーが他のタブを開いて、他のサイトを閲覧している時間も含まれるケースがありました。
あくまでもブラウザでフォーカス状態にあった時間から算出される平均エンゲージメント時間の方がより現実的な指標に近づいたと言えますね。
平均エンゲージメント時間の目安
一概に目安となる平均エンゲージメント時間を定めるのは現実的ではありません。なぜなら、ページのコンテンツ次第で大きく異なる指標だから。
例えばWebサイトのトップページであれば通常はユーザーが長く滞在するよりも、目的のページへすぐにページ遷移することが多く、この場合は平均エンゲージメント時間は自然と短くなるでしょう。
一方で、ブログ記事のような読み物であれば、ターゲットユーザーにマッチしたコンテンツなら長く滞在する傾向があります。
つまり、目安となる数値を意識するより、ページ毎の指標の変化や他ページとの相対的な比較をおこなう方が分析に活かせるのです。
エンゲージメント率とは
前述のエンゲージメントセッションとなる3つの条件の内、1つでも該当する場合はGA4の指標名で「エンゲージのあったセッション」に該当します。
セッション数の合計に対するエンゲージメントのあったセッションの割合がエンゲージメント率。
エンゲージメント率
= エンゲージメントのあったセッション数 ÷ セッション数
エンゲージメント率の見方
エンゲージメント率を探索レポートの自由形式で確認してみましょう。
「値」に「エンゲージメント率」をセットし、「行」には任意のディメンションをセットします。ここでは例として「セッションのデフォルトチャネルグループ」をセットしました。
このデータから集客チャネル別のエンゲージメント率がわかります。
上記データの場合、広告集客(=Paid Search)のエンゲージメント率が極端に低く、ページをしっかりと読まれていないのかもしれません。一方で検索エンジン集客(=Organic Search)は他のチャネルよりもページを読まれていると考えられます。
もし探索レポートの基本的な使い方から確認したい場合は「GA4レポート活用の基本マニュアル」もご活用ください。
ユーザーエンゲージメントとは
ユーザーエンゲージメントは、ページが表示されてアクティブな状態にあった時間の合計(秒)。指標名から時間を示すことが分かりづらいので注意が必要です。
ユーザーエンゲージメントの見方
ユーザーエンゲージメントは探索レポートの自由形式から確認しましょう。
「値」に「ユーザーエンゲージメント」をセットすればOKです。
直帰率とは
GA4でエンゲージメントを計測できるようになったことで、直帰率の定義が変更されました。
以前のGoogleアナリティクスとは定義が異なる点にご注意ください。
1(100%) - エンゲージメント率 = 直帰率
GA4のエンゲージメントまとめ
GA4で加わったエンゲージメント指標により、ユーザーがページを訪問した際に何もアクティブな行動をせずに離脱したのか、コンバージョン発生や別ページへの回遊があったのかを具体的に把握できるようになりました。
エンゲージメント指標を使って改善インパクトが大きいページや重要度が高いページを改善し、成果向上に取り組みましょう。
エンゲージメント分析をおこなうためには探索の活用が欠かせません。「GA4レポート活用の基本マニュアル」を参考に取り組んでみてくださいね。
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GA4を活用してアクセス解析をおこなう際にぜひご活用ください。