GA4(Google Analytics 4)とは?UAとの違いや導入方法をわかりやすく解説
更新日:2022年06月28日
UA(旧Googleアナリティクス)終了で必要になったGA4(Google Analytics 4)への移行。
Web業界内でも混乱が起きる中、専門分野でなくともGA4対応が求められるWeb担当の方にとっては苦労が絶えない業務ですよね。
本記事ではGA4(Google Analytics 4)とは何か、UAとの違いや正確な情報も不十分な中でGA4対応をどのように進めると良いかを現時点での最新情報を踏まえてご紹介します。
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GA4(Google Analytics 4)とは
GA4GA4(Google Analytics 4 プロパティ)とは、GA3とも呼ばれるユニバーサルアナリティクス(UA)の次世代バージョンにあたるGoogleアナリティクスです。
”次世代”とはいえ、部分的な機能追加の範疇ではなく、もはや別物ともいえるぐらい大きく異なるGA4。UAとはプロダクトの考え方が根本的に異なります。
GA4は何が変わったのか?ユニバーサルアナリティクス(UA)との違い
UAからGA4に移行すると何が変わるのか?と考えるよりも、別のアクセス解析ツールと割り切って考えた方が賢明です。
項目 |
次世代のGA4 |
従来のUA |
計測対象 |
Webサイト+アプリ |
Webサイトのみ |
デバイス |
マルチデバイス対応 |
デスクトップPCを想定 |
計測方法 |
イベントベース |
Cookieベース |
細かい仕様を挙げるときりが無いぐらいの違いがありますが、ここではGoogle公式ドキュメントを引用しながら根本的な違い、GA4移行の背景を見ていきましょう。
ユーザー中心の測定へ
UAではパソコンやスマホのブラウザ単位でデータ計測をおこなってきました。
しかし、現代ではパソコン、スマホ、タブレットなど、一人のユーザーが複数のデバイスでWebサイト閲覧をおこなうライフスタイルが定着したことで、ブラウザ単位の計測は時代に合わない状況に。
そこでGA4(Google Analytics 4)では異なるデバイスからのアクセスでも同一ユーザーとして計測できる設計に見直され、アクセス解析データの中心にユーザーが存在するようになりました。
サイトとアプリを行き来するユーザー ジャーニーを包括的に把握できるほか、Google の機械学習テクノロジーを使って新たなインサイトを浮き彫りにしたり、予測したりすることができます。そして何より、Google アナリティクス 4 は変わり続けるエコシステムに後れを取らずについていけるように構築されています。
(出典:Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: Google アナリティクス 4 でこれからに備えましょう)
ユーザーのプライバシーへ配慮した設計へ
GA4は”プライバシーを中核に設計している”と明言されています。
特に重要な点として、Google アナリティクス 4 は IP アドレスを保存しません。データのプライバシーを取り巻く今日の世界的な状況では、プライバシー保護とユーザーデータ管理に対してユーザーの期待する水準が上がっているため、特にこうしたソリューションとコントロールが必要になります。
(出典:Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: Google アナリティクス 4 でこれからに備えましょう)
日本国内よりもプライバシー保護が厳しい英語圏の動向を考慮すると必然ともいえる設計でしょう。GA4を利用するWeb担当者とユーザー双方が期待するプライバシー保護の取り組みに対応した変更です。
UAからGA4へ移行するべきか?
無料版UAの計測が2023年7月1日に終了すると公式にアナウンスされた2022年3月時点で、UAを継続利用し続ける選択肢は無くなりました。
GA4へ移行するべきかどうかではなく、GA4を使うか、GA4を使わないかの二択を迫られているのが現状。Googleアナリティクスで今後もアクセス解析をおこなう場合はGA4へ移行する以外の選択肢はありません。
UAに使い慣れていると「GA4は使いづらい…。」と感じてしまうもの。しかし、GA4が使いづらいとしても慣れていくしかないのです。
一方で、GA4に関する情報はまだまだ少なく、すべての人が今すぐGA4への移行業務に多くの時間を割く必要があるわけではありません。なぜなら現時点では最低限の初期設定だけ済ませて様子見する方が賢明な状況も考えられるから。
ではGA4の移行へいつから取り組むべきかをどのように判断すれば良いのでしょうか?ここでは現時点で弊社が考える「早めにGA4移行へ取り組むべき方」とそうでない方をお伝えします。
早めにGA4の本格移行へ取り組みたい人
現在UAを使ってアクセス解析を”しっかりと”おこなっており、対前年比データも利用している方は早めにGA4へ移行することを検討しましょう。
その場合、いつまでにGA4へ以降するべきなのでしょうか?
UAのデータ計測が2023年7月1日で終了するため、GA4で前年同月データと比較したい場合、遅くとも2022年6月以降のデータを計測しておかなければ前年比較できない期間が発生するからです。
GA4の初期設定だけして様子見しても良い人
現在のUAで時々ページビュー数やセッション数などをざっとチェックする程度で、過去データとの比較分析もおこなっていない場合は焦ってGA4への移行に多くの時間を割く必要はありません。
GA4を移行した企業での活用が進めば今よりも更に正確でまとまった情報が出てきます。その後に細かい設定をおこなった方がGA4の設定は効率的。多くの情報が飛び交う中で、自社にとって本当に今必要な対応かどうかを冷静に判断しましょう。
ただし、GA4はデータ計測の設定をした後からしかアクセス解析はできません。GA4では計測タグを設置するだけでなく、計測したいデータを細かく設定する必要があるため、それらを加味して判断しましょう。
- UAとGA4は並行してデータ計測ができる
- GA4は設定後に初めてデータ計測ができる
- 設定する前に、どのデータ計測が必要かの検討が重要
GA4(Google Analytics 4)の導入方法
ここからはGA4の導入方法を見てみましょう。
今すぐGA4へ移行するかどうかに関わらず、アカウント開設から計測タグ設置までの手順に特化して解説していきます。
Google Tag Manager(GTM)の設定
Google Tag Manager(GTM)はGoogleが提供している無料のタグ管理ツールです。
UAと同様にGA4もアナリティクス管理画面内から計測タグを取得し、直接Webサイトへ設置することは可能。しかし、GA4では計測したいデータに応じてタグの設定が必要になる場面が多いため、GTMを利用して計測タグを設置することをおすすめします。
Google Tag Managerのアカウント(開設またはログイン)はこちら
測定IDとトラッキングIDの違いと確認方法
Google Tag Managerを使ってGoogleアナリティクスの計測をおこなうには、Googleアナリティクスが発行するIDをGoogle Tag Managerへ設定して紐付けする必要があります。
その際に使用する測定IDとトラッキングIDの違いは以下の通り。
測定ID・・・GA4で計測する際に使用するID
トラッキングID・・・UAで計測する際に使用するID
UA(ユニバーサルアナリティクス)を導入済みの場合
既にUAを導入済みでGoogleアナリティクスのアカウントがある場合はUAの画面からGA4のプロパティを作成できます。
▼UAとGA4のアカウント構造
UA・・・アカウント > プロパティ > ビュー
GA4・・・アカウント > プロパティ > データストリーム
UAの任意画面から左サイドメニュー下部「管理」をクリックし、プロパティ列にある「GA4設定アシスタント」をクリックします。「新しいGoogleアナリティクス4プロパティを作成する」からプロパティを作成しましょう。
Googleアナリティクスを新規で設置する場合
下記URLからGoogleアナリティクスのアカウントを開設し、左サイドメニュー下部「管理」をクリックし、プロパティ列にある「+プロパティを作成」をクリックします。
Webサイト名やURLなど、画面に従って入力していきましょう。
なお、GA4とUAの両方かUAのみのプロパティ作成を選択する画面が表示された場合は「ユニバーサルアナリティクスのプロパティのみを作成する」を選ばないようご注意ください。「Googleアナリティクス4とユニバーサルアナリティクスのプロパティを両方作成する」を選択しましょう。
Googleアナリティクスの新規アカウント開設はこちら
GA4設置後にやるべきたった1つのこととは?
計測タグを設置すると汎用的な各種データの計測が開始されたUAとは異なり、GA4では計測したいデータに応じた設定が必要です。
そこで重要になるのが、自社で計測が必要なデータは何かを整理する工程。
GA4は出来ることが増えたと同時に、”必要な設定作業”も増えました。だからこそ検討したいのが「自社に必要なデータは何で、不要なデータは何か?」ということ。
不要なデータの計測に工数を割くのは本末転倒のため、UAからGA4へ移行するタイミングで不要なデータ計測をやめる検討をおこなうことを推奨します。
GA4でむやみにあれこれ設定作業をおこなっていては非効率で、キリがありません。GA4の計測データはイベント単位、「点」を収集するようなもの。その後「点」と「点」をつないでどのような「線」や「図形」を見たいのかを事前に整理し、計測に必要なデータを明確にしましょう。
これらの工程が終わると、GA4の初期設定と計測データの活用へと進みます。GA4の使い方についてはこちらの記事で詳しく解説しました。
GA4に関するよくある質問
最後にGA4に関するよくある質問にお答えしていきます。今後もGA4に関する最新情報やご質問内容に応じて随時更新していきます。
Q.Googleサーチコンソールと連携できますか?
A.はい、連携機能があります。連携手順はGA4初期設定マニュアルをごらんください。
Q.社内アクセスを計測したくないのですが、IP除外設定はできますか?
A.はい、内部トラフィックルールの作成からIP除外を設定できます。設定手順はGA4初期設定マニュアルをごらんください。
Q.Googleアナリティクス(UA)はいつまで使えますか?
A.2023年7月1日にデータ計測が終了となり、6か月間はデータの閲覧が可能とアナウンスされています。なお、有料版のGoogleアナリティクス360の終了は2023年10月1日まで3ヶ月長い期間となります。
Q.UAのデータをGA4へ移管できますか?
A.いいえ、現時点ではできない仕様です。UAのデータは必要に応じてエクスポートされることをおすすめします。
Q.GA4のプロパティ作成後にどのような初期設定が必要ですか?
A.必要に応じて以下の初期設定をおこないます。設定手順はGA4初期設定マニュアルをごらんください。
・データ保持期間を14ヶ月へ変更
・関係者IPの計測除外
・クロスドメイン設定
・GoogleSingalをオン
・計測したいイベントの設定
・コンバージョン設定
Web担当者のための
GA4初期設定マニュアル

Googleのアクセス解析ツールとして15年振りに登場した次世代バージョンのGA4。
Webサイトのアクセス解析にGA4を活用する企業様が増える一方で、新しいツールのため設定方法がわからないというお声をいただく機会が増えています。そこで初めてGA4を利用する際のアカウント開設から導入時の初期設定までの手順を解説した資料をご用意しました。
▼本資料に掲載されている内容の一例は・・・
・GA4は何が変わったのか?
・アカウント開設の手順開設
・GA4と併せて活用したいGTMの使い方
・これだけはやっておきたい!初期設定の内容と手順とは?
・コンバージョン設定の事例
これからGA4の利用を始められる際にぜひご活用ください。