SEOでカニバリは危険!調べ方と対処法をわかりやすく丁寧に

更新日:2024年02月16日

Webサイト運営で気を付けたいカニバリ。

カニバリが発生すると、UXを損ねるだけでなくSEOにおいてもマイナス要素となるため対処が必要です。本記事ではカニバリの調べ方と対処法をわかりやすく解説します。

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SEOのカニバリゼーション(カニバリ)とは

SEOのカニバリゼーション(カニバリ)とは、サイト内で複数のページが同じ検索キーワードに対して競合すること

例えば、「カニバリ SEO」というキーワードで検索したときに、以下のように同じサイトの異なるページが検索結果に複数表示されてしまう場合はカニバリが発生していると言えます。

▼カニバリ発生時の例:「カニバリ SEO」で2つのページが競合

https://www.creal.co.jp/cannibalism/ → 3位に表示

https://www.creal.co.jp/seo-cannibalistic/ → 4位に表示

 

上記例の場合、カニバリを解消することでいずれかのページが2位や1位とさらに検索順位が上がる可能性があります。

このようなカニバリはSEOにおいて避けるべき状況で、サイトのユーザビリティやSEO評価を低下させる可能性があります。そのため、カニバリを調査して解消することが重要です。

カニバリがSEOにおいて危険な理由

カニバリの発生がSEOにおいて危険な理由を、ユーザーと検索エンジンの視点から見てみましょう。

ユーザビリティを損ねるから

カニバリが発生するとユーザーはコンテンツが似通ったページを見ることになります。

これはユーザーを迷わせる原因となり、ユーザーは自分が求める情報を得られないままWebサイトから離脱するかもしれません。

また、不要なページがあるサイト、コンテンツやナビゲーションが必要以上に複雑なサイトと感じて信頼性が低下する恐れもあります。

SEO評価が低下するから

カニバリが発生するとサイト内のページが同じ検索キーワードに対して競合し合うことになります。

これはGoogleなどの検索エンジンを混乱させる原因の一つ。

検索エンジンはページごとの役割を見極め、検索キーワードに応じてどのページを優先的に表示するかを判断します。しかし、カニバリが発生するとどのページを評価したら良いのか判断できなくなってしまうのです。

 

その結果、どのページも上位表示されにくくなったり、順位が安定しなくなったりするかもしれません。

複数のページに対してSEO評価が分散される上に、外部リンクと内部リンクともに被リンクが複数のページへ分散することでSEO評価はさらに分散します。

また、カニバリが発生するとクローラーも複数のページを見つけてコンテンツを読み取る必要があるため、特に規模が大きいサイトほど悪影響が出るでしょう。

なぜ、カニバリが起きてしまうのか?

ユーザーにとっても、SEOの観点でも、悪いことしか無いカニバリ。

なぜこのようなカニバリが発生してしまうのか、よくある3つの原因をご紹介します。

似通ったSEOキーワードやタイトルの使用

似通ったSEOキーワードやタイトルを使用すると自然とカニバリが発生します。

例えば、「カニバリ SEO」と「SEO カニバリ」や「カニバリ とは」と「カニバリ 意味」などは、キーワードの順番や表現が異なるだけでSEOキーワードが指す意味は同じ

このようなキーワードやそこから考えたタイトルを使って別々のページを作成すると、検索意図が同じのため重複コンテンツを作成することになり、結果的にカニバリが発生します。

同様のコンテンツを含めたページ制作

同様のコンテンツを含めたページを複数制作するとカニバリが発生します。

例えば、SEO戦略にトピッククラスターモデルを取り入れ、SEO文脈での「カニバリ」に関連するトピックでSEO対策をおこなうケース。

実際に検索されているSEO対策キーワードを調査すると「カニバリ SEO」「カニバリ とは」「キーワード カニバリ」「カニバリ 対処法」といった候補が出てきます。

関連キーワードで複数のページを制作し、内部リンクを最適化しながら複数のページ群でSEO対策をおこなうトピッククラスターモデルをならって先ほどの各キーワードでコンテンツを作成するとどうなるでしょうか?

 

「カニバリ SEO」と検索するユーザーは、SEO対策のために対処法を知りたいニーズがあると考えられ、「カニバリ 対処法」のコンテンツも含むことになるでしょう。

コンテンツ設計によっては上手くすみわけられる可能性もありますが、「カニバリ SEO」と「カニバリ 対処法」のページでカニバリが発生するリスクは高くなります。

動的ページの制御ミス

動的ページの制御ミスによってカニバリが発生するケースもあります。

動的ページとは機械的に生成されるページのことで、例えば商品一覧ページで並び替えや絞り込みをおこなう際によく見られます。

▼動的ページの例

商品一覧:https://example.com/products/

商品一覧(価格が安い順):https://example.com/products?sort=low_price/

商品一覧(価格が高い順):https://example.com/products?sort=high_price/

上記例で仮に10商品があり、商品一覧ページに10商品全てが表示されるサイトの場合、URLが異なる3つのページには商品の表示順以外に差が無い同じコンテンツが表示されますよね。

 

このような動的ページが全て検索エンジンにインデックスされると重複コンテンツとなるため、通常は1つのURLのみインデックスさせ、それ以外のURLはインデックスされないように制御します

もし制御ミスをして動的ページが検索結果に表示されてしまうとカニバリが発生する可能性があるのです。

カニバリ状況の調べ方

ここからは実際にカニバリ状況を調査する方法をご紹介します。

site:検索

カニバリを調査する最も簡単な方法はsite:検索を使うこと。

site:検索とは特定のサイトのみに絞って検索できる機能です。

例えば、Googleで検索する際に「site:creal.co.jp カニバリ SEO」と検索すると、creal.co.jpのサイト内で「カニバリ SEO」というキーワードに関連するページを表示できます。

 

ここで表示されるページが必ずしもカニバリを起こしているというわけではなく、関連性が高いページ順に表示されています

そのため上位に表示されるページを目視チェックし、意図せずカニバリを起こしそうなページを作っていないか確認していきましょう。

Googleサーチコンソール分析

Googleサーチコンソールでは実際にGoogleの検索結果へ表示されたページやその際に検索されたキーワード(クエリ)のデータを取得できます。

(基本的な使い方は「図解で学べる!Web担当者のためのGoogle Search Console入門」をご覧ください。)

 

ブラウザ拡張機能やLookerStudioを組み合わせると「URL×クエリ」データの一括取得も可能で、同一クエリが複数ある場合は、異なる複数のURLが検索結果に表示されている(=カニバリの可能性がある)と判別が可能。

エクセルやスプレッドシード上でクエリの重複回数をカウントし、絞り込みとソートによって対象URLを簡単に抽出できます。

▼カニバリ発生の可能性がある「URL×クエリ」データ例

URL「A」/クエリ「カニバリ SEO」

URL「B」/クエリ「カニバリ SEO」

上記の場合、「カニバリ SEO」と検索した際にAとBのURLが表示されているため、2つのURLがカニバリを起こしている可能性があることが分かります。

SEO対策に効果的なカニバリ対処法

カニバリが発生している場合は、状況に応じた以下の対処法によって適切にSEO対策をおこないましょう。

  • コンテンツをSEOチューニングする
  • noindexを設定する
  • canonicalを設定する
  • 301リダイレクトを設定する
  • ページを削除する

 

カニバリ該当ページの対処法を判断する上でのポイントは以下の3点です。

  1. 集客ページとして必要か
  2. 必要なページか
  3. ページの価値があるか

 

コンテンツをSEOチューニングする

集客ページとして必要な場合は、カニバリを回避できるようにコンテンツを見直しましょう。

他のページと異なるSEOキーワードを設定してSEOチューニングする、重複しているコンテンツを削除するなど、大幅なチューニングをおこないます。

canonicalタグを設定する

集客ページとしては不要でも、削除すると問題があるページの場合はcanonicalタグで対応しましょう。

▼canonicalを指定する際の記述例

<link rel="canonical" href="https://www.creal.co.jp/" />

 

canonicalタグとは、「正規のURL」を明示するためのタグのこと。

例えばページAとページBでカニバリが発生し、ページAを正規ページとして残したい場合は、ページBにcanonicalタグを設定してページAを正規のURLとして明示します。

このようにcanonicalタグを設定すると、ページBのSEO評価をページAに引き渡しつつ、ユーザーはページBを閲覧できる状態

 

SEO対策として検索エンジンのクローラー制御はcanonicalタグの設定で解決するため、後はサイト内の導線を見直してUXを損ねないよう調整しましょう。

noindexを指定する

集客ページとしては不要でも、削除すると問題があるページの場合は基本的にcanonicalタグでの対応となりますが、他にnoindexを指定する方法があります。

noindexタグとは、ページを検索エンジンのインデックスから除外するためのタグ。

noindexを指定すると検索結果に表示されなくなりますが、URLには問題なくアクセスできるためユーザーはページ閲覧ができる状態。noindexを指定するとSEO評価を失うため、カニバリ解消目的の場合はcanonicalを使うケースが多いでしょう。

▼metaタグでnoindexを指定する際の記述例

<meta name="robots" content="noindex">

301リダイレクトを設定する

集客ページとしては不要で、削除しても良いページの場合でも、削除するデメリットを考慮する必要があります。

例えば該当ページへ外部リンクや内部リンクが設置されている場合、リンクを辿ったユーザーや検索エンジンのクローラーにはエラーが表示されていしまいます。また、削除すると該当ページのSEO評価が失われるデメリットも。

このようなケースでは301リダイレクトを設定しましょう。

ページを削除する

集客ページとして不要、削除して問題なし、ページへのリンクも無くSEO評価もない場合はそのままページを削除してカニバリを解消します。

ここまでにご紹介した様々なケースに該当しないことを確認した上で削除しましょう。

SEOに悪影響があるカニバリのまとめ

本記事ではSEOに悪影響があるカニバリについて原因や対処法をご紹介しました。

カニバリはUXを損ね、SEO評価も下がる良くない状況です。カニバリが発生しないように気をつけながら、発生した際は状況に応じて適切に対処しましょう。

その他、基本のSEO対策に取り組む場合は「基礎SEO対策チェックリスト」に記載の基本項目も参考にしてみてください。

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