LTV(ライフタイムバリュー)とは?広告運用での活用法や測定するメリットを解説

公開日:2022年11月02日

Webマーケティングにおいて重要な指標のひとつである「LTV」。
今回は、広告運用におけるLTVの活用方法や測定するメリットなどを詳しく解説します。

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LTV(ライフタイムバリュー)とは

LTV(ライフタイムバリュー)は「顧客生涯価値」を意味するマーケティングの指標。
顧客1人あたりが自社にもたらす通算利益のことを指します。

「生涯」とついているものの、実際には一定の取引期間を設定し、その間に発生する利益を計測します。
商材にもよりますが、おおよそ1~3年ほどの期間を取るのが一般的です。

LTVの計算式

LTVの算出方法は複数パターンあります。
よく使われる計算式をいくつか紹介しますので、商材のタイプや計測方法によって使い分けてください。

  1. 基本の計算式
  2. リピート購入される商材に着目する場合
  3. 顧客獲得・維持のコストも考慮する場合
  4. 年間取引額をもとに算出する場合
  5. 解約率をもとに算出する場合

1.基本の計算式

LTV = (平均購入単価) × (平均購入回数)
(例)
平均顧客単価:10,000円
平均購入回数:5回
LTV = 10000 × 5 = 50000円

2.リピート購入される商材に着目する場合

LTV = (平均購入単価) × (平均購入頻度) × (平均継続期間)
(例)
平均顧客単価:10,000円
平均購入頻度:5回/年
平均継続期間:3年
LTV = 10000 × 5 × 3 = 150000円

3.顧客獲得・維持のコストも考慮する場合

LTV = (平均購入単価) × (平均購入頻度) × (平均継続期間) - {(新規顧客獲得コスト) + (既存顧客維持コスト)}
(例)
平均顧客単価:10,000円
平均購入頻度:5回/年
平均継続期間:3年
新規顧客獲得コスト:50000円
既存顧客維持コスト:10000円
LTV = 10000 × 5 × 3 - (50000 + 10000) = 90000円

4.年間取引額をもとに算出する場合

LTV = 顧客一人の年間取引額 × 収益率 × 継続年数
(例)
顧客一人の年間取引額:50,000円
収益率:50%
継続年数:3年
LTV = 50000 × 0.5 × 3 = 75000円

5.解約率をもとに算出する場合

LTV = 平均顧客単価 ÷ 解約率
(例)
平均顧客単価:10,000円
解約率:20% → 0.2
LTV = 10000 × 0.2 = 50000

広告運用においてLTVが重要な理由

広告運用においてLTVが重要な最大の理由は、広告費にかけるべき適正な金額の目安にできること。
これを考慮する場合は、先ほど紹介した計算式の「3」が重要になります。

LTV = (平均購入単価) × (平均購入頻度) × (平均継続期間) - {(新規顧客獲得コスト) + (既存顧客維持コスト)}

広告運用に関するコストは、この式のなかの「新規顧客獲得コスト」に該当します(場合によっては「既存顧客維持コスト」にも該当)。
目標LTVを設定することで、どれくらいの金額を広告費に掛けられるのか算出することが可能です。

LTVを最大化するための施策

LTVの数値を向上させるにはどういった施策が効果的なのでしょうか。

  • 購入単価を上げる
  • 購入頻度を高める
  • 商品の原価を下げる
  • 解約率を下げる

購入単価を上げる

単純に顧客が一度の買い物で使う金額を引き上げれば、LTVを向上させることができます。

今よりも高級なプランにグレードアップしてもらうアップセルや、関連のある別の商品もセットで買ってもらうクロスセルを提案することで、購入単価の向上につなげることが可能です。

購入頻度を高める

購入単価はそのままでも、頻度を高めることができればLTVは上昇します。
アプリのプッシュ通知やメール配信などで、定期的に自社を思い出してもらう工夫をしましょう。

広告を使う方法では、顧客リストを使って既存顧客を対象に配信をおこなう「リマーケティング」も効果的です。

ただし、あまり頻繁に顧客に接触しすぎると疎まれて逆効果になってしまいますので注意が必要です。

商品の原価を下げる

商品にかかるコストを見直すのも1つの手です。
商品一点あたりの原価を下げることができれば、その分利益を増やすことができます。

解約率を下げる

無形の商材や定期購入等の場合は、顧客の維持率がLTVに大きく関わります。
同じ顧客数であっても、新規顧客の獲得より既存顧客の維持のほうがかかるコストが小さいため、顧客のつなぎとめは非常に重要なポイントです。

解約率(チャーンレート)を下げる方法としては、ユーザーの声をもとにした継続的なサービスの改善や、継続特典の付与などが挙げられます。
また、近々解約しそうな顧客のケアなども効果的です。

LTVを向上させるメリット

LTVを高めることによって、どのようなメリットがもたらされるのでしょうか。

  • 優良顧客の傾向を可視化できる
  • 安定した利益の獲得につながる
  • 無駄なコストの削減につながる

優良顧客の傾向を可視化できる

優良顧客とは、例えば購入頻度が高い、購入単価が高い、サービスの継続期間が長い、といった自社に多くの利益をもたらしてくれる顧客のこと。

LTVを向上させるには、いかにこの優良顧客を獲得するかが重要であり、LTVを軸として分析をおこなうことで、この傾向をつかむことも可能です。
優良顧客の特徴をもとにターゲティングをおこなうことで、効率的に広告を配信することができます。

▼関連記事 ターゲティング広告とは?

安定した利益の獲得につながる

LTVを向上させることは、顧客一人ひとりとの取引期間を伸ばし、取引回数を増やすこと。
言い換えれば、安定した利益の獲得に繋がります。

単発の売上をベースとするのではなく、既存顧客を「育成」して長期的な収益獲得を図ることで、安定した事業の基盤を作ることが可能です。

無駄なコストの削減につながる

LTVを伸ばすためには、顧客維持/獲得のコストを下げることも不可欠です。
特に新規顧客の獲得にはかなりのコストがかかるもの。

カスタマージャーニーなども考慮しつつ、効率的に見込み顧客へのアプローチをおこなうことで、LTVの向上と同時に無駄なコストの削減も実現できます。

▼関連記事 カスタマージャーニーとは?

まとめ

今回は広告運用における「LTV」について解説しました。

LTVは広告運用という観点においても重要な指標。
マーケティングの戦略を立てる際にはぜひ着目してみてください。

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