SGEとは?対策とSEOに影響するGoogleの取り組みをご紹介
更新日:2025年07月14日
AI検索のはじまりとしてGoogle検索に実装されたSGE。
本記事では今後のSEOに大きな影響を与え得るSGEとは何か、Googleの取り組みやWeb担当者がおこなうべきSGE対策についてご紹介します。
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SGEは試験運用後に「AI Overview」の名称で正式リリースされています。
検索結果には「AIによる概要」として表示されるようになりました。
SGEとは?
SGEとは、Search Generative Experienceの略で、Google検索において生成AIを利用した新しい検索体験のこと。
SGEとは検索ユーザーの質問に対して、Webサイトから情報を抽出して独自に回答を生成し、Google検索の結果ページ(SERPs)へ表示する機能です。
SGEではGoogleが開発した最先端の生成AIモデルであるGeminiが活用されています。
SGEはGoogle検索の新機能
SGEはSERPsへ生成AIがコンテンツを表示することで、検索ユーザーが簡単に情報を得られる仕組みです。
SGEはGoogle検索の新機能として2023年5月に発表され、アメリカで先行リリースされていました。その後、「AI Overview」の名称で正式リリースされています。
SERPsにAIがコンテンツを表示
SGEで使用する生成AIは、GeminiというGoogleが開発した最先端の生成AIモデルを活用しています。Geminiは、自然言語処理や画像認識などの分野で高い性能を発揮することができるAIモデル。
これにより、検索ユーザーの質問に対する回答をAIが予測し、生成したコンテンツをSERPsへ表示するのです。
検索ユーザーが簡単に情報を得られる仕組み
SGEが提供されることで、検索ユーザーは知りたいことをより簡単に得られるようになります。
検索キーワードから予測されるニーズを元にAIが回答を自動生成するため、検索ユーザーはWebサイトを閲覧する必要がありません。
また、生成AIは追加の質問にも対応できます。
例えば、「SGEとは?」という検索キーワード(=質問)に対して、「SGEとは、Search Generative Experienceの略で・・・」と回答が表示された後、「SGE対策の方法は?」と追加の質問をすると、「SGE対策の方法は、・・・」と回答が表示されるイメージです。
AIが生成するコンテンツの精度にはまだ課題があるとは言え、検索ユーザーがWebサイトを閲覧せずに知りたい情報を得られるケースが増えると予想されます。
日本での導入状況
SGEはテスト運用が2023年8月30日に開始され、その後アメリカで2024年5月に先行して以降グローバル展開が進み、日本でも正式に利用可能になりました。
Search Labsへの登録ユーザー向けに試験運用が開始され、約1年間のテスト期間を経て本格運用がスタート。現在は「AI Overview」(日本名:「AIによる概要」)という名称で提供されています。
日本のユーザーは、従来のSearch Labsへの登録なしに、通常のGoogle検索でAI Overviewを利用できるようになっています。
Bard・Geminiとの違い
SGE(AI Overview)とGemini(旧名Bard)は、いずれもGoogleの生成AIですが、用途や機能が異なります。
Geminiは独立したチャットボット型AIで、幅広い一般的な情報を生成することを目的としています。ユーザーが直接Geminiにアクセスして会話形式で質問を投げかけ、回答を得る仕組み。画像や動画の生成も可能です。
一方、SGE(現AI Overview)は検索エンジンと連動したAI機能で、検索クエリからユーザーの検索意図を読み取り、適切で精度の高い検索結果を提供することを重視しています。検索結果の一部として自動的に表示される点が大きな違いですね。
SGEの画面表示例
ここでは日本へ展開されたSGEの実際の画面を見てみましょう。
SGEでSERPsにコンテンツが表示される位置や形式はケースによって異なります。
本記事ではSGEが日本で展開された当初の画面表示も掲載していますが、最新の画面は異なります。
SEOで1位のサイトより上に表示される例
現在は検索キーワードでSEO1位に表示されているWebサイトよりも上にSGEコンテンツが表示されています。また、「追加で聞く」ボタンや関連する質問も表示されており、クリックすると更にSGEコンテンツが生成されます。

このSGEコンテンツの表示例では、1位に弊社のページが表示されていますが、更にその上にSGEコンテンツが表示されています。
SGEコンテンツ内にも1位に表示中の弊社ページが掲載されていますが、よく見るとページタイトルが異なります。1位の位置には最新のページタイトルが表示されているのに対して、SGEコンテンツ内には古いバージョンのページタイトルが表示されているため、AIの学習データは古いのかもしれませんね。

こちらは検索ユーザーが操作しなければSGEコンテンツが表示されないパターン。
この場合は1位に表示されたページが最上部に近い位置で、SGEリリース前に近い表示となっています。
「AIによる概要を生成しますか?」の横にある「はい」をクリックすると、先ほどと同様にSGEコンテンツが生成されます。
リスティング広告より下に表示される例
以下の画面ではリスティング広告の表示位置は従来通りで、SGEコンテンツはその下に表示されています(SGEコンテンツの下部にリスティング広告が表示されるケースも確認できています)。
この場合は検索キーワードでSEO1位に表示されても、リスティング広告とSGEコンテンツの下となり、検索ユーザーの画面にすぐには表示されない位置ですね。

強調スニペットの上に表示される例
検索キーワードによってはSEOで1位のWebページより上に強調スニペットが表示されますが、SGEコンテンツが表示される場合は、強調スニペットよりも更に上に表示されるようです。

強調スニペットもSGEコンテンツと同様に、検索キーワードに対する答えをWebページから抜粋して表示するため、両者の役割はとても似ていますね。
但し、強調スニペットは特定のWebページからの抜粋に対して、SGEコンテンツは複数のWebページを元にAIが生成するためより柔軟なコンテンツの表示が可能になると考えられます。
【追記】SGE対策で「AIによる概要」に弊社記事が表示された例
SGEからAI Overviewに変わった後の表示例もご紹介します。
以下の画像は「SGE対策」とGoogleで検索した際に表示された「AIによる概要」の表示例で、弊社が公開している本記事がAIに引用されていることが確認できます。

弊社でもSGE対策に取り組んでいるため、上記表示のようなSGE対策による効果が出始めている状況。今後もAI Overviewが拡張されると施策による成果が伸びていくと予想しています。
SGEの使い方
どのような表示パターンがあるのか、今後どのように変化するのか、SEO担当者ならSGEを注視する必要があるため、すぐにSGEを使い始めることをおすすめします。
Google検索でSGEを使うのはとても簡単。
Search Labsに参加するとすぐにSGEを使えるようになります。現在はSearch Labsへの登録が不要となりました。
Search Labsに参加する
Search Labsに参加するには、Googleアカウントへログインした状態で「Search Labs」へアクセスし、ボタンを有効化するだけでOK。
有効化するとすぐにSGEコンテンツが表示されるようになります。

SEOで重要になるSGE対策
検索ユーザーにとっては検索キーワードに対する簡単な答えがSERPsから手軽に得られるようになると利便性が高まりますが、SEO担当者にとっては悩ましいですよね。
Webページへ訪問するユーザーが減り、SGEコンテンツの端的な答えだけで検索行動を止めるユーザーが増えるとSEOによる集客効果は落ちてしまいます。
しかし、SGEコンテンツで担当サイトのWebページが掲載されるようになれば露出を増やすチャンス。
今後はSGEコンテンツへ掲載されるための対策が重要になるでしょう。
ここからはSGE対策で重要になると予想されるポイントを解説します。
E-E-A-Tの強化
ベータ版のSGEコンテンツには最上部に「生成 AI は試験運用中のため、品質にむらがある可能性があります。」と表示されているように、GoogleもAIによる生成コンテンツの品質に課題を抱えている様子。
Google は、新しい生成 AI 技術を活用した検索体験を導入するにあたり、責任ある慎重なアプローチをとっています。生成 AI と LLM には既知の制限があり、検索が常に正しく機能するとは限りません。
(出典:Google Japan Blog: 生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介)
より信頼できる正確なコンテンツを生成するためには、SEOで重視されるE-E-A-TをSGEにも活用して参照するコンテンツを選択すると考えられます。
E-E-A-Tを高めることはSGE対策においても効果があり、SGEコンテンツへ掲載されることにもつながるでしょう。
FAQコンテンツの作成
SGEは検索ユーザーへの質問に答えるコンテンツをAIで生成する仕組み。
その性質上、SGEはFAQコンテンツと高い親和性があると考えられます。
- 事実や定義に関する質問(例:SGEとは?)
- スキルやノウハウに関する質問(例:SGE対策の方法は?)
- 商品やサービスの選び方に関する質問(例:おすすめのSGE対策会社は?)
SGE対策のためにもページコンテンツ内に質問と回答を掲載し、構造化データを実装することで、SGEコンテンツに掲載されやすくなる可能性があります。
一方で、日本においてFAQリッチリザルトは一部のWebサイトを除いて表示されなくなる動きもあるため、この辺りの判断は難しいところ。それでもAIの理解を促進する意味ではSGE対策の効果が期待できそうです。
要約コンテンツの作成
SGEコンテンツは検索キーワードに対して短い文章で回答を提供するもの。
これはSEO対策キーワードに対して制作するページコンテンツの要約文と近い性質があります。
ページ内に要約コンテンツを掲載することで、AIがコンテンツ生成時に利用する可能性が高まるのではないかと考えられます。SGE対策の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
SGEコンテンツの表示調査
Google検索で全てのキーワードに対してSGEコンテンツが表示されるわけではありません。
SGEコンテンツが表示される検索キーワードを調査し、どのようなコンテンツが表示されているかを調査し、担当サイトのコンテンツ改善の参考にしましょう。
この辺りは強調スニペットの表示対策と同様の考え方が有効。SGE対策をおこなうべき検索キーワードを把握した上で、対象ページを絞ってSGE対策に取り組む方法が効率的ですね。
構造化データを活用したSGE対策
構造化データの実装は、SGE対策において特に重要な要素となります。
AIがWebページの内容を正確に理解するためには、構造化データによる意味的なマークアップが不可欠。以下の構造化データが特に効果的とされています。
- FAQ構造化データ:質問と回答の関係を明確に示し、SGEでの引用確率を高める
- Article構造化データ:記事の著者、公開日、見出し構造を明示
- HowTo構造化データ:手順やプロセスを示すコンテンツで有効
- Product構造化データ:商品情報の構造化でBuyクエリでの表示を促進
特にFAQ構造化データはSGEの質問応答形式と相性が良く、実装することでSGE対策にもつながり、表示確率が向上する傾向があります。
検索クエリタイプに合わせた対策
Know・Do・Go・Buyの各クエリタイプに応じて、異なるSGE対策を実施することが重要です。
クエリタイプ |
対策内容 |
推奨構造化データ |
Knowクエリ |
包括的で権威性の高い情報を提供し、複数の視点からの解説を盛り込む。見出し構造を明確にし、定義や背景情報を丁寧に説明 |
Article、FAQ構造化データ |
Doクエリ |
具体的な手順やステップを明確に示し、実践的で行動につながる情報を提供してSGEでの引用確率を高める |
HowTo、FAQ構造化データ |
Goクエリ |
企業情報や店舗情報を正確に提供し、ブランド認知向上とサイト直接流入を重視した対策を実施 |
LocalBusiness、Organization構造化データ |
Buyクエリ |
商品の特徴、価格、レビューを明示し、購入検討に必要な比較情報を提供 |
Product、Review構造化データ |
SNSや外部流入経路の確保
SGEの影響でオーガニック検索流入が減少する可能性に備え、検索以外の流入経路を強化することも重要です。
X(Twitter)やYouTubeなどでの情報発信を積極化し、SNSなど検索に依存しない流入源の確保が理想的。メルマガやニュースレターによる定期的な情報配信で、リピーターやロイヤルユーザーとの関係を維持することも大切です。
SEO対策として依然として効果がある外部サイトからの被リンクを獲得することも有効な対策の一つですね。
SGE対策に関するよくある質問
ここからはSGE対策に関するよくある質問と回答をご紹介します。
SGE対策はいつから始めるべき?
SGE対策は今すぐ始めることをおすすめします。
日本でもAI Overviewとして正式運用が開始されており、早期に対策を始めることで競合他社より有利なポジションを確保できます。特にE-E-A-Tの強化や構造化データの実装はSEO対策にも効果があるため、すぐに取り組む価値があります。
SGEに引用されやすいコンテンツは?
公式サイトや専門機関のコンテンツとして高い権威性がある、FAQ、ステップ形式、箇条書きなど構造化された情報コンテンツ、定期的に更新される最新性、検索クエリに対する直接的で分かりやすい答え、FAQやArticle等の構造化データが実装済みといったコンテンツはSGEに引用されやすいと考えられます。
中小企業でもSGE対策は必要?
中小企業こそSGE対策が重要です。
SGEでは従来の検索順位以外の要素(コンテンツの質、構造化データの実装状況、E-E-A-Tの評価など)も重視されるため、予算をかけずに大企業と競争できる可能性があります。
特に専門性の高い業界やニッチな分野では、専門知識を活かした高品質なコンテンツでSGEに掲載される機会が多くなる可能性も。限られたリソースを効率的に活用するため、自社の強みを活かした分野でのSGE対策に取り組むことをおすすめします。
Google検索の新機能「SGE」のまとめ
本記事ではGoogle検索の新機能、SGEについて確認できている状況と考察を中心にご紹介しました。
SEOに大きな影響が予想されるSGEですが、SEO担当者として取り組むべき対策は変わりなく、基本の対策を前提に、テクニカルな手法を組み込むことになるでしょう。
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