ブランドリフトとは?調査方法や実施の際のポイントを詳しく紹介

公開日:2023年03月08日

広告を通じたブランディング戦略で重要な指標、「ブランドリフト」。
この記事では、そんなブランドリフトについて詳しく解説します。

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ブランドリフトとは

ブランドリフトとは、ブランディングのために配信した広告の効果を測る指標の一つです。

厳密な定義としては、「配信した広告に接触したグループと、接触していないグループの意識の差を比較し、ブランディング効果がどれほど上昇(リフト)したかを数値化」したもの。

ブランドリフトは通常の計測では可視化されないため、広告配信後に別途調査(後述)をおこなって効果を測定します。

サーチリフトとの違い

ブランドリフトと似た用語に「サーチリフト」があります。
こちらはブランディング広告を配信したことによって、その商品・サービスの検索数がどれだけ増加したかを計測する指標です。

絶対リフトと相対リフトの違い

ブランドリフトには、絶対リフト(絶対的ブランドリフト)と相対リフト(相対的ブランドリフト)があります。

絶対的ブランドリフト

(広告を見たグループの肯定的回答の割合)ー(広告を見ていないグループの肯定的回答の割合)

[例]
・広告を見たグループの、自社ブランドに対する肯定的な回答が全体の50%
・広告を見ていないグループの、自社ブランドに対する肯定的な回答が30%

→絶対的ブランドリフトは50-30=20%

相対的ブランドリフト

{(広告を見たグループの肯定的回答の数)ー(広告を見ていないグループの肯定的回答の数)}÷(広告を見ていないグループの肯定的な回答の数)
[例]
・広告を見たグループの、自社ブランドに対する肯定的な回答数が50件
・広告を見ていないグループの、自社ブランドに対する肯定的な回答数が25件
→相対的ブランドリフトは(50-25)÷25=1→100%

ブランドリフトの調査方法

ここからはブランドリフトを調査するための方法を紹介します。代表的なのは以下の3つです。

  • インバナーサーベイ
  • リードバナーアンケート
  • 調査会社への依頼

インバナーサーベイ

インバナーサーベイとは、ディスプレイ広告や動画広告の枠内に、広告の代わりにアンケートを表示してユーザーに回答してもらう調査方法です。
YouTubeを見ているとき、動画の再生前に以下のようなアンケートが表示されるのを見たことがあるのではないでしょうか。

回答がリアルタイムに集計され、広告の管理画面上でいつでも確認できるメリットがあります。


YouTubeインバナーサーベイ

YouTubeインバナーサーベイ

リードバナーアンケート

リードバナーアンケートも、インバナーサーベイ同様に、アンケートによってブランドリフトを計測する方法ですが、こちらは広告枠内でアンケートに答えてもらうのではなく、専用の回答ページで答えてもらう形式です。

質問数や回答形式の制限も緩いこと、専用のページを使用するためクリックミスが少なくなり、インバナーサーベイよりも回答の精度が高くなる点がメリットです。
一方で、完答率の低下、配信コストの増加といったデメリットも存在します。

調査会社への依頼

上の2つは広告配信プラットフォームを利用してブランドリフトを測定する方法でした。
3つめは専門の会社に調査を任せるという方法です。

インバナーサーベイやリードバナーアンケートでは、配信をおこなうプラットフォーム内のユーザーにしかアプローチできませんでしたが、調査会社に依頼すれば、プラットフォームや使用デバイスを横断した、総合的な効果測定が可能になります。

ただし、その分費用は高額になりますのでその点は念頭においておきましょう。

ブランドリフト調査が可能なプラットフォーム

ブランドリフト調査は以下のようなプラットフォームでおこなうことができます。
一つずつ見ていきましょう。

  • Google/YouTube
  • Yahoo!
  • Facebook
  • LINE
  • Twitter
  • Ameba

Google/YouTube

Googleでは、ディスプレイ広告、YouTube広告でブランドリフト調査が可能です。
広告の情報から自動的に質問を生成する機能もあります。

計測が可能なのは以下の指標。

  • 広告想起
  • ブランド認知度
  • 比較検討
  • ブランド好意度
  • 購入意欲

Yahoo!

Yahoo!では以下のようなアンケートでブランドリフト調査が可能です。
Googleで計測可能な5要素に加え、「メッセージ連想」(広告メッセージに対するユーザーの理解)を調査可能です。

Yahoo!ブランドリフト調査

Yahoo! JAPANブランド効果測定について

 

Facebook

Facebookでは「Facebookブランドリフトテスト」と呼ばれる調査が可能です。
Facebookは実名登録が前提のため、調査結果の信頼性が高いメリットがあります。

LINE

「LINEリサーチ」のモニターへのアンケートで、「ブランド認知度」「利用経験」「好感度」「利用意向」が調査可能です。
国内最大のアクティブユーザー数を誇るSNSのため、とくに回答数に期待できます。

Twitter

Twitterではアンケート付きのツイートでブランドリフトを調査可能です。
このアンケートは@TwitterSurveysアカウントのツイートとして配信されます。

Ameba

動画プラットフォームAbemaでもブランドリフト調査は可能です。
YouTube同様、番組の間にインバナーサーベイでアンケートを流すことができます。

ブランドリフト調査の注意点

最後にブランドリフト調査をおこなう際の注意点を紹介します。

  • 配信費用が比較的高額
  • 調査開始以前のデータは対象外

配信費用が比較的高額

ブランドリフト調査で信頼できるデータを得るには、一定数以上の母数が必要です。
その分の予算が必要になるため、費用は通常の広告と比較して高額になりがちです。

また、媒体によって最低費用が定められていることもあります。

調査開始以前のデータは対象外

ブランドリフト調査では、「広告を見たユーザー」と「見ていないユーザー」に分類して回答を集計しますが、この分類は調査開始後のデータをもとにおこなわれます。
以前配信していた広告を見たユーザーであっても、調査が始まったあとに見ていない場合は、「広告を見ていないユーザー」と見なされます。

正確に調査したい場合は、ブランディング広告の配信とブランドリフト調査のタイミングを合わせることをおすすめします。

まとめ

今回はブランドリフトについて解説しました。
ブランディング広告を配信する際には、是非セットでブランドリフト調査をおこなってみてはいかがでしょうか。

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