ECサイトの作り方を徹底比較!費用・難易度から初心者におすすめの方法まで
更新日:2025年11月13日
ECサイト(ネットショップ)を開設したいけど何から手をつけて良いか分からない、そんな悩みを抱えていませんか?
初心者や個人の方でも、プログラミング不要でECサイトを作る方法は存在します。
初期投資を抑える方法から費用をかけて本格的なサイトを構築する方法まで選択肢は様々。本記事では、ECサイトの主要な作り方と、もう一つの選択肢「モール出店」を比較して詳しく解説します。
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ECサイトの作り方:最短で公開する7ステップ
ECサイトを最短で公開するための手順は以下の7ステップに集約されます。本記事では各ステップの詳細を一つずつ解説していきますね。
- 目的と商品を定義:誰に・何を・いくらで売るのか、事業の核を明確化する
- 方式選定:初心者・個人の場合はまず「ASPカート」での開始がおすすめ
- 初期設定:ショップ名、デザイン、決済方法、配送方法、税率などを設定する
- 商品登録:魅力的な写真と説明文、価格、在庫などを登録する
- 法定表記:「特定商取引法に基づく表記」やプライバシーポリシーを記載する
- テストと公開:テスト注文・決済をおこない、問題なければ本番公開する
- 初期集客:SNSでの告知やWeb広告で集客する
ECサイトとは?基本と重要性
ECサイトの作り方を学ぶ前に、まずはECサイトがどのようなものか、その基本を確認しておきましょう。
ECとは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略。つまり、インターネット上で商品やサービスを売買するWebサイト全般を指します。いわゆる「ネットショップ」や「通販サイト」と呼ばれるもの。
Amazonや楽天のような「モール型」と自社で独自に運営する「自社ECサイト」がありますが、この記事では主に後者の「自社ECサイト」の作り方に焦点を当てます(モール型についても後述)。
ECサイトの基本的な仕組み(カート機能・決済機能)
ECサイトが通常のWebサイトと大きく異なる点は、主に二つの機能を持っていること。
- ショッピングカート機能
- 決済機能
ショッピングカート機能は、顧客が購入したい商品を一時的に保持し、まとめて注文できるようにする機能です。スーパーの買い物カゴと同じ役割。
決済機能は、クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ払い、代金引換など、顧客が代金を支払うための機能。この機能がなければ売買が成立しませんよね。
ECサイトの作り方とは、突き詰めれば「これらの機能を持ったWebサイトをどう用意するか」という方法論でもあります。
【比較表】ECサイトの作り方
自社ECサイトの作り方(構築方法)は、主に5つの方式に分類されます。それぞれの費用、難易度、メリット・デメリットを比較表で見てみましょう。
| 構築方法 |
費用目安(初期/月額) |
難易度 |
メリット |
デメリット |
| ① ASPカート |
無料〜/無料〜数万円 |
★☆☆(簡単) |
・専門知識不要 ・短期公開可 ・初期コスト低 |
・カスタマイズに限界 ・手数料が累積 |
| ② オープンソース |
数万円〜/数千円〜 |
★★★(中) |
・高い自由度 ・ライセンス費無料 |
・運用とセキュリティは自己責任 |
| ③ クラウドEC |
数十万円〜/数万円〜 |
★★★★(高) |
・常に最新環境 ・API連携に強い |
・月額がやや高め ・ASPよりは高難易度 |
| ④ ECパッケージ |
数百万円〜/数万円〜 |
★★★★(高) |
・大規模要件に強い ・サポート体制充実 |
・初期費用が高額 ・独自改修に限界も |
| ⑤ フルスクラッチ |
数千万円〜/保守費 |
★★★★★(最難) |
・要件完全適合 ・独自体験が作れる |
・費用・期間・人材リスク最大 |
注:金額は一般的なレンジであり、要件やプランによって変動します。最新情報は各サービス公式ページをご確認ください。
どの作り方がおすすめ?目的・スキル別診断
「結局、自分にはどれが合っているの?」と迷ってしまいますよね。目的とスキル別に、おすすめの選び方は以下の通り分かれます。
初心者・個人・スモールスタート企業の場合、まずは「① ASPカート(無料プラン含む)」で小さく始めるのが鉄則。リスクなくECサイト運営を体験できます。
デザインや機能にこだわりたい企業の場合、「② オープンソース(WordPressなど)」が候補になります。ただし、セキュリティ管理などを自分でおこなうか制作会社の保守サポートも必要。
本格的な事業・中〜大規模ECを目指す企業の場合、「③ クラウドEC」または「④ ECパッケージ」が選択肢です。専門の開発会社と相談しながら進めるのが一般的でしょう。
+α:ECモール出店の選択肢(楽天市場/Yahoo!ショッピング 等)
ここまで「自社ECサイト」の作り方を解説してきましたが、もう一つの選択肢が「ECモールへの出店」です。これはECサイトの作り方とは少し異なり、既存の大きなショッピングモール(例:楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)に自店のページを間借りするイメージですね。
モール側の圧倒的な集客力を活用できるため、特にEC参入初期の売上(初速)を出しやすいのが最大のメリット。一方で、出店審査や月額費用、販売手数料がかかり、デザインの自由度や顧客データの活用には制約があります。
| 項目 |
概要 |
| コスト感 |
月額固定費+販売手数料(プランやモールにより変動) |
| 強み(メリット) |
・モールの集客力・信頼性を活用できる ・販促機能(ポイント、セール企画)が豊富 |
| 留意点(デメリット) |
・価格競争に陥りやすい ・デザインの自由度が低い ・顧客データが自社に蓄積しにくい |
| 相性が良いケース |
・短期での売上テストをしたい ・ブランド力や既存顧客がまだ少ない新規参入時 |
※自社ECとモール出店は相反するものではなく、両方を併用する戦略も一般的です。
ECサイトの作り方①:ASPカート
自社ECサイトの作り方として現在最も主流で、初心者や個人の方におすすめなのが「ASPカート」。ASP(Application Service Provider)とは、ECサイトに必要な機能(カート、決済など)をサービスとして提供してくれるシステムのこと。私たちはそのシステムをレンタルする形でECサイトを運営します。
makeshop、BASE、STORES、Shopifyなどが有名ですね。プログラミング知識は一切不要。デザインテンプレートを選び、商品を登録するだけで、すぐにECサイトが完成します。
参考記事:ECサイトを構築する「ASP」とは?メリット・デメリット、選ぶポイントも紹介
無料ASPカートでECサイトを作る方法
「無料で作れるECサイトはありますか?」という質問も多いですが、実際に無料でも可能です。BASEやSTORESなどは、初期費用・月額費用が無料のプランを提供しています。
ただし、注意点も。無料ASPカードは商品が売れた際に「販売手数料」や「決済手数料」が発生する仕組みです。売上がゼロなら費用もゼロですが、売上が増えるほど手数料負担も増えるモデル。
まずはコストをかけずにECサイトを作ってみたい、という方に最適ですが、EC事業を本格的に取り組む場合は長期的コストが大きくなってしまいます。
有料ASPカートでECサイトを作る方法
makeshopやShopify、BASE・STORESの有料プラン、futureshopなどは、月額費用が発生するタイプのASPです。月額費用がかかる分、無料プランに比べて販売手数料が安価であったり、デザインのカスタマイズ性が高い、高度な機能(定期購入、詳細な顧客分析など)が使えるといったメリットがあります。
無料プランで開始し、売上が安定してきたら有料プランに切り替えて手数料(ランニングコスト)を最適化する方法もASPカート利用の基本戦略として有効です。
ECサイトの作り方②:オープンソース
オープンソースとは、ソースコード(プログラム)が一般公開されており、誰でも無料(※)で利用・改変できるソフトウェアのこと。ECサイト構築で最も有名なオープンソースが「WordPress」と、そのプラグインである「WooCommerce」です。
ASPカートでは実現できない独自のデザインや機能を追加したい場合に適していますが、HTMLやCSSの知識が推奨されます。また、注意しておくべき点は「セキュリティ対策(アップデート、脆弱性対応)を自己責任でおこなう」必要があることです。
※ソフトウェア自体のライセンスは無料ですが、サーバー代やドメイン代といったインフラ費用は別途必要になります。
ECサイトの作り方③④⑤:パッケージ/クラウドEC/スクラッチ
企業のECサイトで、中規模から大規模なもの、あるいは複雑な要件(基幹システムとの連携など)を実現する作り方が、残りの3タイプです。これらは基本的に個人や初心者向けではなく、専門の開発会社に依頼することが前提。
クラウドECは、ASPの使いやすさと、パッケージの拡張性を併せ持つイメージ。常にシステムが最新に保たれ、API連携などで外部サービスと繋ぎやすいのが強みです。
ECパッケージは、ECサイト構築に必要な機能をあらかじめ備えたソフトウェアを購入し、自社向けにカスタマイズする方法。大規模なECサイト運用に耐えうる機能とサポートが魅力です。
フルスクラッチは、完全にオリジナルでECサイトをゼロから開発する手法。費用も期間も最大になりますが、理論上実現できない機能はありません。
ECサイトの作り方で気になる「費用」はどれくらい?
ECサイトの作り方を決める上で、最も重要な要素の一つが「費用」ですよね。ECサイトの立ち上げ費用の相場観を、改めて整理しておきましょう。
| 構築方法 |
初期費用(目安) |
月額費用(目安) |
| 無料ASP |
0円 |
0円 + 販売手数料(売上の数%) |
| 有料ASP |
0円〜10万円程度 |
3,000円〜数万円 + 決済手数料 |
| オープンソース |
100万円〜(制作依頼時) |
数千円〜(サーバー・ドメイン代) |
| クラウドEC |
数十万円〜 |
数万円〜 |
| パッケージ |
100万円〜 |
数万円〜(保守・ライセンス料) |
| フルスクラッチ |
500万円〜 |
数万円〜(保守・サーバー代) |
ECサイトの作り方にプログラミング知識は必須?
結論からお伝えすると、ECサイト作成にプログラミング知識は必須ではありません。
前述のASPカートが、プログラミング不要の代表格です。マウス操作とテキスト入力だけで、誰でもECサイトが作れてしまいます。
もちろん、オープンソース(WordPress)で細かくデザインを調整したい場合はHTML/CSSが、フルスクラッチで開発する場合はPythonやJavaといった高度な言語が必要になりますが、初心者や個人の方がECサイトを立ち上げる段階では不要と断言できます。
AIを活用したECサイトの作り方
近年、AI技術、特に生成AIの進化がECサイトの作り方にも影響を与え始めています。
Wix AIサイトビルダーのように、AIとの対話でWebサイトの雛形を自動生成するサービスも登場していますね。ただ、現状のECサイト構築においてAIは、サイト制作のためだけではなく、運営を効率化するために活用する視点がより実用的です。
- 商品紹介文の自動生成:ChatGPTなどに商品の特徴を伝えるだけで、魅力的な紹介文を瞬時に作成できます。
- 画像生成:商品のイメージ画像や、セールのバナー画像をAIで生成できます。
- 顧客対応の自動化:チャットボットにAIを組み込み、よくある質問に24時間自動で回答させます。
ECサイトの作り方7ステップ詳細
どの構築方法を選んだとしても、ECサイトを公開するまでの基本的な流れは共通しています。
ステップ1:コンセプトと事業計画を立てる
「誰に」「何を」「どのように」売るのかを明確にします。
- ターゲット顧客は?
- 競合との違い(強み)は?
- 価格設定は?
- 売上目標は?
ここが曖昧なままECサイトを作っても、成功は難しいでしょう。
ステップ2:構築方法(+モール)を選定する
ここまでにお伝えした5つの方式(ASP、オープンソース等)+モール出店から、ステップ1の計画と、自社の予算・スキルに合った作り方を選定します。
初心者・個人なら、まずASPカートから検討するのがセオリーです。
ステップ3:必要な機能(決済・配送など)を準備する
ECサイトに必要なものを準備します。
- 決済方法:クレジットカード、銀行振込、代引きなど、どれを導入するか
- 配送方法:ヤマト運輸、佐川急便など、どの配送業者と契約するか
決済方法はASPなら標準装備されています。
配送方法もASPで提携サービスが用意されていることも多いです。
ステップ4:サイトデザインと商品登録
選んだ構築方法(ASPなど)の管理画面に入り、ECサイトのデザインを整えます。
テンプレートを選ぶだけでも良いですし、ロゴやキーカラーを設定して独自性を出しましょう。そして、販売する商品の写真、価格、在庫、紹介文を登録していきます。
ステップ5:法務・コンプライアンスの確認
公開前に確認すべき法律関係です。
ECサイトの運営においては以下の情報を公開しましょう。
- 特定商取引法に基づく表記
- プライバシーポリシー
- 外部送信規律の公表
ステップ6:テストと公開
いきなり公開するのではなく、必ずテストをおこないましょう。
「実際に商品がカートに入るか」「決済が正常に完了するか」「注文メールが届くか」などを、確認します。テストして問題がなければ、いよいよECサイトの公開(オープン)です。
ステップ7:集客
公開して待つだけではなく、集客にも取り組みましょう。
SNSアカウント(Instagram, Xなど)での告知、既存顧客へのメール連絡、Web広告(リスティング広告、SNS広告)などで、ECサイトの存在を知らせる活動を開始します。
ECサイトの法務・コンプライアンスチェック
ECサイトの作り方において機能やデザインと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが法律の遵守です。特に初めてECサイトを作る場合は見落としがちなので、必ずチェックしてください。
特定商取引法(通信販売)
ECサイト(通信販売)では、「特定商取引法に基づく表記」として、以下の情報をWebサイト上の分かりやすい場所に明記することが義務付けられています。
- 事業者(個人)の氏名または名称
- 住所
- 電話番号
- (法人の場合)代表者名または業務責任者名
- 販売価格(送料についても明記)
- 代金の支払時期、方法
- 商品の引渡時期
- 返品に関する特約(返品不可の場合はその旨)
ASPカートでは、この表記を記載するための専用ページやテンプレートが用意されています。
外部送信規律(改正・電気通信事業法)
外部送信規律(改正・電気通信事業法)は2023年6月から施行されたルールです。
「自社サイトから、外部のサービス(例:Google Analytics、広告タグなど)に、閲覧者の情報を送信していますよ」ということを公表・通知する必要があります。
ECサイトではアクセス解析や広告タグを使うことが多いため対策が必要。プライバシーポリシー内に「外部送信について」といった項目を設け、送信先のサービス名や利用目的を記載するのが一般的な対応です。
ECサイトは作ってからが本番!立ち上げ後の重要ポイント
よくある誤解が「ECサイトは作れば売れる」というもの。
残念ながら、それは大きな間違いです。ECサイトは作ってからが本当のスタート。立ち上げ後に重要となる3つのポイントをご紹介します。
集客(SEO・広告・SNS)
広大なインターネットの海に、ただお店を開いただけでは誰も訪れてくれません。お客様をECサイトに呼び込む「集客」活動が不可欠です。
- SEO:GoogleやYahoo!JAPANの検索結果で上位表示させ、検索からの流入を狙います。
- Web広告:リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告など、費用をかけてターゲット層にアプローチします。
- SNS運用:InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどでファンを増やし、ECサイトへ誘導します。
運営(受注・配送・顧客対応)
注文が入ったら、迅速かつ丁寧に対応する必要があります。
- 受注処理:注文内容を確認し、入金をチェックします。
- 梱包・配送:商品を丁寧に梱包し、指定された配送方法で発送します。
- 顧客対応:問い合わせへの返信、クレームや返品などに対応します。
これらの地道な運営こそが、ECサイトの信頼とリピーターを育てるのです。
分析と改善(主要KPI)
ECサイトはデータの宝庫。感覚ではなく、数値に基づいて改善を続けることが重要です。
- CVR(コンバージョン率):訪問者のうち何%が購入したか。
- AOV(平均注文単価):1回の注文あたりの平均金額。
- LTV(顧客生涯価値):一人の顧客がどれだけ利益をもたらすか。
- リピート率:再購入してくれた顧客の割合。
これらの数値を見ながら、どうすればもっと売れるのかを考え、施策を実行し続けます。
ECサイトの作り方に関するよくある質問
ここからはECサイトの作り方に関するよくある質問と回答をご紹介します。
Q. ECサイトとは何ですか?
A.ECサイトとは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略で、インターネット上で商品やサービスを売買するWebサイト全般を指します。ショッピングカート機能と決済機能を持つ点が通常のWebサイトと異なります。
Q. ECサイトの作り方にはどんな種類がありますか?
A.主な自社ECサイトの作り方として、ASPカート、オープンソース、クラウドEC、ECパッケージ、フルスクラッチの5つの方式があります。また、楽天市場やAmazonのような既存のECモールに出店する方法もあります。
Q. 初心者におすすめのECサイトの作り方は?
A.初心者や個人の方、スモールスタートの企業には「ASPカート」がおすすめです。プログラミング知識が不要で、デザインテンプレートを選び商品を登録するだけで、比較的簡単にECサイトを開設できます。
Q. 無料でECサイトを作ることはできますか?
A.はい、可能です。BASEやSTORESなどのASPカートサービスでは、初期費用・月額費用が無料のプランが提供されています。ただし、商品が売れた際には販売手数料や決済手数料が発生する点に注意が必要です。
Q. ECサイト作成にプログラミング知識は必要ですか?
A.必須ではありません。ASPカートを利用すれば、プログラミング知識がなくてもマウス操作とテキスト入力だけでECサイトを作成できます。
ECサイトの作り方まとめ
ECサイトの作り方には、ASP・オープンソース・クラウドEC・パッケージ・フルスクラッチという5つの方式、そしてモール出店という選択肢があります。
無料のものから、多額の開発費用をかけるものまで、構築するECサイトによって作り方も機能面や費用面も大きく異なりますので、自社に合った作り方でECサイトを立ち上げましょう。
自社にとって最適なECサイトの作り方で迷われる場合は、一度お気軽に弊社へご相談ください。相談には一切費用がかかりません。ECサイト制作サービス資料もご覧くださいね。