グロスとネットの違いを5分で理解!広告代理店の費用構造と計算方法

公開日:2026年02月06日

Web広告におけるグロスとは手数料込の請求総額、ネットとは媒体に支払う純粋な広告原価のこと。

一見複雑に見えるこの2つの用語ですが、違いを理解していないと予算内で収まらないといったトラブルになりかねません。

本記事では、グロスとネットの正確な定義から、代理店契約で頻出する「内掛け・外掛け」の計算方法まで、Web広告代理店へ依頼する際の費用構造と計算方法をわかりやすくご紹介します。

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Web広告のグロスとネットとは?違いを解説

Web広告業界では、費用の話をするときに必ずと言っていいほどグロスとネットという言葉が飛び交います。まずはこの2つの言葉の定義と、それらをつなぐマージンについて明確にしておきましょう。

グロス(Gross)=請求総額(媒体費+手数料)

グロス(Gross)とは、本来「総量」や「全体」を意味する言葉。

Web広告業界においては、「広告媒体に支払う原価」と「広告代理店に支払う手数料」を合計した金額、つまり広告主である貴社が代理店から請求される「手数料込みの請求総額」のことを指します。

社内で決裁をとる予算は、通常このグロス金額を指すことが一般的ですね。

ネット(Net)=媒体原価(純粋な広告費)

一方、ネット(Net)とは「正味」や「実質」を意味します。

Web広告においては、代理店の手数料を差し引いた、GoogleやYahoo!などの媒体社に支払われる「原価」のこと。実際に広告配信に使われる金額そのものです。

代理店マージンとの関係性

この2つをつなぐのが「マージン(手数料)」です。関係性を式にすると以下のようになります。

グロス(請求額) = ネット(原価) + マージン(手数料)

この手数料には、広告運用の設定、日々の調整、レポート作成、改善提案などの「運用代行費」が含まれています。
代理店は、このマージンを対価として、お客様の広告効果を最大化するためのサービスを提供しているのです。

一般的な2つの商習慣「内掛け」と「外掛け」の違い

手数料の計算方法には、主に「内掛け(うちがけ)」「外掛け(そとがけ)」の2種類が存在します。

これらは代理店の方針や、クライアント企業の予算管理方法によって使い分けられており、どちらも広く採用されている一般的な計算式です。

パターンA:内掛け

「予算100万円以内で実施したい」というように、支払総額を固定したい場合によく使われるのが「内掛け」です。予算総額(グロス)の中に、手数料を含ませる計算方法です。

計算式:ネット金額 = グロス予算 × (100% - 手数料率)

例:予算100万円、手数料20%の場合、100万円 × (1 - 0.2) = 80万円(ネット金額)。この場合、請求額は100万円となり、そのうち20万円が手数料、80万円が実際の広告費となります。

パターンB:外掛け

「広告費として100万円分きっちり配信して、成果を最大化したい」というように、媒体への投下額(ネット)を基準にする場合に使われるのが「外掛け」です。確保したいネット金額に対して、規定の手数料を上乗せして請求額を算出します。

計算式:グロス請求額 = ネット金額 ÷ (100% - 手数料率)

例:ネット配信額100万円、手数料20%(グロス対比)の場合、100万円 ÷ (1 - 0.2) = 125万円(グロス請求額)。

ここで「120万円ではないの?」と思われるかもしれませんが、多くのWeb広告契約では「グロス金額(請求額)に対する手数料率」を定義としているため、この「割り戻し計算」が業界標準として広く採用されています。

この方式であれば、125万円の請求に対し、20%にあたる25万円が手数料となり、残りの100万円がまるごと広告費として活用できるため、配信ボリュームをしっかり確保できるメリットがあります。

【比較表】自社にはどちらが合っている?

どちらの計算方法が良い悪いではなく、貴社の予算管理のルールや目的に合わせて選ぶことが大切です。

項目 内掛け 外掛け
適しているケース例 予算の上限が決まっており、稟議を通した金額内で収めたい場合 「月間〇〇クリック欲しい」など、広告の効果や量を優先的に確保したい場合
予算100万円の例 請求:100万円
広告費:80万円
請求:125万円
広告費:100万円
メリット 社内決裁が取りやすく、支払管理がシンプル 手数料分で広告費が削られないため、広告費が分かりやすい

 

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CPAやROASはどっちで見ればいい?正しい効果検証の指標

広告運用の成果を測る指標である「CPA(獲得単価)」や「ROAS(費用対効果)」。

これらも、グロスとネットのどちらを分母にするかで数値が変わりますが、「誰に見せる数字なのか」によって使い分けるのが正解です。

経営層への報告は「グロスCPA」が基本

社長や上司に報告する場合は、一般的に「グロスCPA」を使用します。
経営視点では、「最終的にいくら支払って(手数料込)、何件の成果が出たのか」という投資対効果が重要だからですね。

  • グロスCPA = 請求総額 ÷ コンバージョン数

現場の運用改善は「ネットCPA」を見る

一方、現場の担当者や代理店との定例会では「ネットCPA」を確認することも多いでしょう。
これは、媒体やクリエイティブそのものの実力を純粋に評価するためです。

  • ネットCPA = 媒体原価 ÷ コンバージョン数

手数料を含まない純粋な配信効率を見ることで、「GoogleとYahoo!どちらが優秀か」「どのバナーが効果的か」といったABテストの判定を正確におこなうことができます。

契約前に確認!トラブルを防ぐ3つのチェックポイント

用語の意味や計算方法がわかったところで、実際に代理店と契約する際に確認すべきポイントを3つご紹介します。これらを事前にすり合わせておくことで、運用開始後の認識ズレを防ぐことができます。

1. 契約書で「計算方法(内か外か)」を明確にする

最も重要なのは、契約時に今回の予算に対して、手数料は内掛けですか?外掛けですか?と確認すること。

多くの代理店では、標準的な契約書フォーマットを持っていますが、貴社の希望に合わせて調整可能な場合もあります。「ネット100万円分は必ず配信したい」など、希望を明確に伝えることがトラブル回避の鍵です。

2. 広告管理画面やレポートツールの閲覧権限(ネット金額の開示)をもらう

透明性の高い取引をするために、Google広告やYahoo!広告などの「管理画面」の閲覧権限をもらえるかも確認しましょう。

管理画面に表示される金額は、基本的に「ネット金額(媒体費)」です。運用状況をリアルタイムで共有してもらえるメリットも。一方で、運用ノウハウ保護などの観点から広告管理画面の共有をおこなわない方針も一般的で、その場合は広告費用を確認できる専用レポートツールの管理画面を共有してもらえれば費用の確認ができます。

3. 少額予算の場合は最低手数料を確認する

少額予算(月額30万円以下など)の場合、手数料率(%)ではなく固定額が適用されるケースがあります。これを最低手数料と呼びます。

例えば「手数料20%だが、最低手数料は5万円」という規定がある場合、広告費が少額でも手数料は固定で発生します。これは代理店が品質を維持するために必要な最低限のコストですが、予算計画に影響するため、事前に規定を確認しておきましょう。

少額予算の広告運用を受け付けていない広告代理店もありますが、最低手数料を支払うことで運用を依頼できる代理店もあるのです。

グロスとネットの違いに関するよくある質問

ここからはグロスとネットの違いに関するよくある質問と回答をご紹介します。

Q.Web広告のグロスとネットのシンプルな違いは何ですか?

A.グロスは代理店手数料を含んだ請求総額で、ネットは手数料を差し引いた純粋な媒体原価です。

Q.マージンとは何ですか?

A.グロス金額とネット金額の差額で、広告代理店に支払う運用代行手数料のことです。

Q.CPA(獲得単価)はグロスとネットのどちらで見るべきですか?

A.経営層への報告など最終的な費用対効果を見るなら「グロスCPA」、媒体の実力を評価するなら「ネットCPA」を使用します。

グロスとネットの違いまとめ

グロスとネットの違いは、単なる用語の問題ではなく、予算管理や運用戦略に関わる重要なポイントです。

「内掛け」も「外掛け」もそれぞれに理にかなった計算方法であり、広告代理店ごとに規定ルールが定められていたり、希望する方法に合わせてもらえる場合もあります。疑問点があれば契約前にしっかりと確認し、クリアな状態で広告運用をスタートさせてくださいね。

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